中国人にとって「持ち家」は、みんなの夢です。しかし、収入の少ない人々にとって、これは決して容易なものではありません。都市部の低収入層の居住問題を解決するため、中国政府は、7年前から、低家賃貸し出し制度の実施を始めました。これまでに、33万世帯の人がこの制度の恩恵に恵まれています。 白春芳さんは、今年60歳で、4人家族です。今は、この制度を利用して、北京市内東南部で安い家賃で借りた住宅に住んでいます。白さんは、今の住まいに満足しています。彼女は、「これまでの住まいは20平方メートルぐらいだった。ここに引っ越して、今は4LDKで、80平方メートルだ。居住条件が改善され、気持ちが非常にいい」と話してくれました。 白さんの家族の1人当たりの月給が少なく、これまでの住まいの面積が北京市の定めた最低基準よりも少なかったのです。低家賃貸し出し制度は彼女にいい住まいを提供しています。 白さんが住んでいるアパートは北京市が投資して作った初めてのプロジェクトです。今のところ、300世帯がここに住んでいます。また、住民はこの周囲の完備された生活施設や医療施設に恵まれています。これについて、町内会の責任者である白淑君さんは、「このコミュニティにはクリニック、障害者ためのリハビリセンター、高齢者学校などの施設がある。また、町内会で、健康講座などの活動も行われる」と述べました。 低家賃貸し出し制度は、以下の3つの方法で実施されています。1つ目は、政府が資金を拠出してアパートを作り、安い家賃で収入の少ない世帯に貸し出すことです。白さんはこれを利用しています。2つ目は、政府は収入の少ない世帯がアパートを借りることに特別手当を補助することです。また、3つ目は、政府がアパートを購入して、安い家賃で収入の少ない世帯に貸し出すことです。 各地関係部門は、この制度を実施する際、現地の経済状況や物価水準によって、申請基準を定めます。例えば、北京市の規定により、申請世帯は以下の条件を満たす必要があります。つまり、家族全員が北京市戸籍を持ち、また、1人当たりの月給が580元以下で、1人当たりの住まい面積が7.5平方メートル以下です。 北京市では、主に、家賃補助金と家賃減免という2つの方法が講じられています。北京市の実施責任者于雷さんは、「これまでに、家賃補助金の方法で、3350世帯の住まいの問題を解決した。また、これと同時に、家賃減免の方法で、1万9千世帯に利益をもたらした。これらの方法が実施されて5年間、北京市政府は3億5千万元の資金を拠出してきた」と語りました。 2005年の末まで、中国の河北省、浙江省、北京、上海など18の省や直轄市で、低家賃貸し出し制度を実施してきました。関連統計によりますと、これまでに、中国で、この制度の実施に投資された資金は47億元に達し、33万世帯がこの制度を利用して居住状況を改善しました。 「CRI」より 2006/05/07 |