中国には、2億人近くの農村からの出稼ぎ労働者がいます。これらの人々は、建築業、採掘業、製造加工業などの企業の従業員の60%を占め、中国の経済発展の中で欠かせない重要な力となっています。 北京市西部のある建築現場で、記者は北京に着たばかりの出稼ぎ労働者、陳強生さんに出会いました。中国西南部広西チワン族自治区からやってきた今年38歳の陳さんは、奥さんと子供2人の4人家族で、上の子は中学生で、下の子は4歳で、妻は簡単な野良仕事をしています。一家を養う重荷が北京に出稼ぎに来た陳の肩にかかっています。ここに来る前に、陳は北京で儲かりたかったですが、実際の状況はそうじゃなくて、大変がっかりしています。「給料が低く、一日に35元しかもらえない。そして住むところも良くない」と話してくれました。 関連統計によりますと、中国の2億人の出稼ぎ労働者のうち、数多くの人は陳さんと同じような生活に置かれています。中国政府はこれまでにずっと出稼ぎ労働者の合法的権益を保護してきましたが、これらの人々が直面している問題はまだ沢山あります。例えば、労働時間が長いこと、労働の環境がよくないこと、医療の保障がないこと、子供の入学難などが上げられます。 出稼ぎ労働者の生活を更に改善するため、このほど、中国政府は、「出稼ぎ労働者の問題を解決する若干の意見」という文書を発表しました。これは、出稼ぎ労働者問題の解決を国家発展の全体的な計画に組み入れました。 胡暁義中国労働?社会保障相は、「この文書は、全面的かつ系統的なものである。そして全部40条のうちの32条は出稼ぎ労働者の各方面の問題を解決するために設けられたものだ。例えば、雇用問題、給料問題、宿舎問題、子供の教育問題、都市公共衛生の問題などがある。これまでにあった政策と措置を更に系統化させた」と語りました。 この文書は、最低給料制度を実施し、出稼ぎ労働者の給料が低く、同じ仕事をしても同じ給料をもらえないなどの状況を変えるよう各地に要求しました。居住条件が悪い問題について、この文書は、出稼ぎ労働者の宿舎の基本的な衛生と安全を保障し、また、長期的に都市部に滞在する者の居住問題を都市部住宅建設の計画に組み入れるよう各地に要求しました。 出稼ぎ労働者医療保障の問題については、すべての雇用側は出稼ぎ労働者を労災保険に適時に加入させる義務があります。また、国家の定めた労働者の休憩と休暇の関連規定をきちんと実施しなければなりません。 この文書が発表されてから、多くの出稼ぎ労働者は、生活の改善に希望を抱くようになりました。47歳の範配洲さんは、記者に対して、「中央政府は、出稼ぎ労働者のことをいろいろと考えてくれた。この文書の発表によって、私たちの権益が保障されるだろう」と述べました。 「CRI」より 2006/05/07 |