幕を閉じたばかりのメーデーGW(ゴールデンウィークの大型連休)では、中国からの大勢の観光客が世界各地の景勝地に押し付け、現地の観光業界に大きなビジネスチャンスをもたらすことになった。 東南アジア 5月2日、ファッションデザイナーの胡明明さんは、タイのプーケット島に向かって飛び立った。プーケット島の美しいビーチでGWをゆっくりと過すのは、胡さんにとってすでに4回目。中国の観光客を最も早く受け入れた景勝地の一つであるプーケット島は、胡さんのような中国からのリピーターたちでにぎわっている。 中国国家観光局などによると、メーデーのGWにおいて、香港特別行政区とマカオ特別行政区を除いて、周辺諸国、特に東南アジア諸国は依然として中国の観光客の主な行き先となっている。現在、シンガポールにとって中国からの観光客はすでに観光、ホテル、小売、飲食などの業界に収益増をもたらし、雇用のチャンスを作り出す主な力となっている。 ロシアとモンゴル 今回のGWでは、ロシアとモンゴルは、中国の観光客を引きつける新たな目玉となっている。夏がだんだんと近づいてくる昨今は、中国の人々にとって北アジアの景観は格別な魅力を持つ存在。中国観光客の誘致のために設立されたロシアの「ボーダレス世界」協会は、中ロ国家年相互開催のチャンスを生かして、中国の観光客の誘致に力を入れている。また、中国南方航空も北京=イルクーツクの航空ルートを開設した。 ヨーロッパ 4月と5月は中国の観光客にとってフランス観光の「オフシーズン」であるが、メーデーのGWには、中国からの観光客が平日の倍増となるほどで、一時はピークともなった。フランス文華旅行社の陳超英社長は、中国の観光客の観光意識の変化について次のように指摘している。「最短の時間、最少のコストでできるだけ多くのヨーロッパの観光地を見て回るため、「5カ国を4日間で遍歴」などのコースが人気だったが、昨今は欧米の観光客と同じように、レジャー観光やテーマ観光を好むようになった。3年前は、わずか3%の中国観光客がレジャー観光とテーマ観光のコースを選んでいたが、いまでは、それは30%となり、3年後はさらに50%を上回ることになろう。これは、経済力の向上を示すと同時に、消費者としての心理的成熟をも物語っている。」 オーストラリア 「シドニーって、中国人のような顔をしている人が大勢いますね。外国人のほうがもうすこし多くなければ、きっと中国にいるような気がするわ」と、北京から来た張さんがシドニー観光の感想をこのように記者に語った。これは、多くの中国人の観光客の共通に感じていることであろう。昨年は、28万人の中国人が豪州観光にやってきて、観光客総人数の5.2%を占め、ホテルの外国人受け入れ人数の8%となった。 調査データによると、中国人観光客にとって、ショッピングが一番大きな目的。綿羊オイル、ウールで作られた寝具、革製品、ワイン、ぬいぐるみ、海の幸、さらには高級な豪州産宝石は、すべてがショッピングのお目当て。一人当たりの中国観光客の豪州での消費支出は、4000オーストリアドルにも達すると言われている。 豪州の観光業観測委員会は、中国の観光客数は年間16.5%のペースで伸びており、2014年には、110万になるのではと見ている。そうなると、中国は豪州にとっての最大の観光客誘致先となり、豪州のこれによる収入も年間60億オーストラリアドルに達すると見られている。 「チャイナネット」2006年5月9日 |