5月28日、中国翻訳協会と同済大学の共催する「2006年中国国際翻訳産業フォーラム」は上海で開幕した。これは中国の翻訳産業の分野にとって初めての国際フォーラムである。 同フォーラムのテーマは「中国の翻訳産業の競争力と国際化」。アジア、北?南アメリカ、ヨーロッパ、大洋州から大手多国籍翻訳企業のリーダー、中国の翻訳産業のエキスパートおよび国際翻訳者連盟、アメリカ翻訳協会、中国翻訳協会のリーダーの200人の代表たちが出席し、翻訳産業のマクロ政策、国際化発展の展望、翻訳企業の運営パターンと管理理念、通訳?翻訳人材のトレーニングと市場ニーズなどの問題を突っ込んで検討し、中国翻訳産業の発展と経験を振り返り、まとめたうえで、中国翻訳産業の国際化の道を開拓するためのイノベーションを積極的に検討し、国内外の翻訳分野の諸企業、組織、機構間の交流と協力を目指すものである。 中国翻訳協会の劉習良会長は開幕のあいさつで、「現在、世界の翻訳産業の売上高はすでに130億ドルを上回り、そのうち、アジア地域はその30%を占め、中国市場のそれは約127億元に達する。アメリカの権威のある調査機構のABI会社が世界の翻訳市場について行った調査によると、2007年において、人工の翻訳、機械による翻訳、ソフトウェア、現地化を含む世界翻訳市場の規模は181億ドルに達し、中国は200億元の売上高に達すると見られている。世界との交流のかけ橋と見なされる翻訳は、わが国の諸地域、諸分野に入りこんでおり、政治、経済、文化、社会生活の重要な構成部分となった。翻訳産業は新鋭としてわが国の経済の舞台に登場した」と語った。 国際翻訳者連盟のシェリル?ヒンクカノン(Sheryl Hinkkanen)女史は「世界翻訳産業の歴史と現状」をテーマとする発言を行い、「近年、国際翻訳界が翻訳業種の通用基準の策定で大きな進歩を遂げ、翻訳産業のメカニズムには急速かつ根本的な変化が起こっている。20世紀90年代においては、翻訳産業はまだ諸国の国内市場の中で発展しつづけていたが、それ以後、翻訳産業の世界的範囲の市場が形作られ、さまざまなコンピューターツール、国際間競争、多国間にわたる長いサービスのサプライチェインが現れている。変化をとげた翻訳産業の運営環境に対応した措置のひとつは翻訳の標準化であり、翻訳業界の活動を協調するために指導を行い、クライアントのために翻訳?通訳の質を確保することを目指すものでもある。一方、翻訳分野での国際標準化の基盤は諸国の国レベルの基準であり、今後の課題はその基準のカバー率を引き上げることであろう」と語った。 今回のフォーラムは二日間にわたるもので、メーンフォーラムのほかに、翻訳サービスと技術、翻訳教育のトレーニングと翻訳?出版などの分会場が設けられた。同フォーラムの開幕式で、出席者は「中国翻訳産業?上海宣言」に調印し、共同で発表した。 今回のフォーラムの主催者の一つである中国翻訳協会は中国の翻訳分野で唯一の全国的な社会団体である。1987年に国際翻訳者連盟に加盟し、2005年8月にフィンランドで開催された第17回世界翻訳大会で、2008年第18回世界翻訳大会の開催を招致した。上海は第18回世界翻訳大会の主催地となっている。 「チャイナネット」 2006年5月29日 |