中国の水利部は、全国で水土流失を防ぐ重点区域の区画を制定し、効果的な対策に取り掛かりました。 中国は水土流失の面積が国土総面積の三分の一を占めており、世界で水土流失問題が最も深刻な国の一つです。 これについて、中国水利部の水土維持観測センターのショウ徳文副主任が「日増しに深刻化している水土流失問題が中国の経済と社会発展など多く面に危害をもたらした」と指摘し、また、「第一に、毎年、水土流失によって、6600ヘクタールあまりの耕地がなくなりました。これは中国の持続的な発展にとって、大きな危害です。第二に、水土の流失で旱魃や洪水などの災害の発生率が高くなりました。第三には、水土の流失で、生態環境を脅かすと同時に、我々の日常生活にも大きな影響を与えました。全国的に見れば七八十パーセントの貧困地区は水土流失問題深刻な地区です」と話しました。 中国では、水土流失の原因もそれぞれであるため、各地区に対して相応な予防措置をとらなければなりません。 こうしたことを考え、中国水利部は全国の水土流失に対するリモート?センシング調査を行った後、水土流失を防ぐ三種類の重点地区を決めました。そして、国土総面積の4分の一にあたるあわせて42箇所で、その活動が行われることになっています。 これについて、ショウ徳文副主任は「この三種類の重点地区はすなわち、予防を重点とする地区と監督と観測を重点とする地区、それに整備を重点とする地区です」と説明しました。 具体的にいいますと、森林地区や草原および水源地は予防を重点とする地区です。こうした地区の水土流失状況はそれほど深刻ではないものの、潜在的な危険がある所です。仮にこうした地区で水土流失問題が深刻になれば、中国の生態環境を脅かすため、政府はこうした地区で放牧を禁止したり、開発を厳しく規制するなどの措置を講じます。 鉱山や石油、天然ガスの開発区それに大型水利工事を行っているダム地区は監督や観測を重点とする地区です。こうした地区は開発や工事規模が大きいので、水土流失が発生する可能性が最も高いところです。そのため、政府はこうした地区で進められている開発活動を監督し、最大努力を払って水土流失の発生を防ぐ措置を取ります。 中国の中部や西部地区、主には河川、湖の中流や上流地区は整備を重点とする地区です。こうした地区の水土流失問題が非常に深刻であり、こうした地区に対して、政府は総合的な整備を行うため資金投入を増やすことを決定しました。 これに対して、ショウ副主任は「このような区画方法は水土流失を防ぐため、より大きな効果が期待できると同時に、中国の持続的な発展にもプラスになる」と話した後、また、「我々の仕事は国家の長期的な発展につながっています。国家の水土保持重点地区であれば、こうした地区は一部の産業の数を制限しなければなりません。経済を発展させる面で資源的に余裕がある一部の地域では開発活動の展開を許可します。一語でいえば、このような区画は第十一次五ヵ年計画の実施に対して、意義がある」と語りました。 「CRI」より 2006/05/12 |