国内外のチベット学の研究者約200人がこのほど北京に集まり、中国チベット学研究センター設立20周年を祝いました。中国ではチベット学研究が急速に発展しており、これについての国際交流が盛んで、チベット自治区の経済と文化の発展にとって主導的な役割を果たしています。 チベット学は、チベット族の社会、歴史、文化などを研究する総合的な学問で、その研究の範囲は社会、歴史、政治、経済、宗教、文学、音楽など多分野に及びます。 チベット族は主に中国南西部のチベット自治区に居住しており、青海チベット高原の独特な自然に生まれたチベット文化は19世紀初めから西側の学者から注目されました。ハンガリーの学者チアオマさんは1823年に現地に行き、研究を始め、チベット学という言葉を作りました。さらに20世紀には、イギリス、フランス、アメリカなど国々ではチベット学の研究が盛んになり、世界的な学問となったのです。 中国はチベット学の故郷とされ、この面での研究はスタートが遅いですが、発展が早く、これについて、中国チベット学研究センターのラバピンツォ事務局長は「現在、中国ではチベット学の学科が整い、体系も出来上がっており、実り豊かな成果を挙げている。レベルの高い若い世代の研究者が多く現れ、研究の中心となっている」と述べました。 統計によりますと、中国には約2000人の学者がチベット学研究を専門に行なっており、中にはチベット族も漢族もいます。 中国の研究者はまたこの面での国際交流を非常に重視しています。今回、センター設立20周年を祝うため、フランスから来たチベット学の研究者、メイェルさんはセンターのグラさんと英語で話をしているのを取材中見かけました。 チベット語が堪能で、多くのチベットの書籍をフランス語に訳したメイェルさんは中国のチベット学研究を高く評価し、「中国のチベット学の研究はここ2、30年の間に大きな進展を見せている。中国の学者が書いた本は私に深い印象を与えた。この面で情報交換だけでなく、協力することがたくさんあると思う」と述べました。 メイェルさんと学術協力をすることになったグラ博士によりますと、チベット学研究センターが20数カ国と協力関係を結んでおり、外国から300人余りの学者が中国を訪れているということです。グラさんはさらに「交流を通じて、進んだ研究方法を勉強し、学術のレベルを高めていくと同時に、私たちの成果を世界に披露することもできる」と述べました。 チベット学研究はチベット族の優れた伝統を保護し、引き継ぐ上で大きな役割を果たしています。また、チベット自治区開発の需要に応え、チベット自治区の近代化や、現地の生態整備などについて研究成果を披露し、経済と社会の発展にも寄与しています。 「CRI」より2006/05/23 |