中国商務部によると、日本で省エネルギー環境保護総合フォーラムに出席した、薄熙来商務部長は「日本経済新聞」の取材を受けた。中国新聞網が報じた。 ▽ 薄熙来部長の発言要旨は以下の通り 中日経済貿易の協力は、各方面との対外経済貿易関係の中でも重要な地位を占める。しかし近年、中日関係の「政冷」と言われる局面は、企業の経済貿易活動にも影を落としている。2005年、中日貿易の伸び幅はわずか9.9%と、対欧州、対米国貿易の伸びを下回ったのみならず、04年の中日貿易の増え幅25.7%と比べても、15ポイントも伸び幅が減少した。1994年の、中日貿易が中国の対外貿易に占める割合は20%だったが、2005年はわずか13%と、7ポイントも下がった。 中日関係が困難に直面しているのは、周知のとおり、靖国神社の問題が原因である。この問題は、中国を含む多くの(戦争)被害国の民衆の感情を深く傷つけ、中日関係の政治的基盤も揺るがしている。靖国神社問題は、中国にとって原則の問題であり、また感情の問題でもある。第2次世界大戦の時期、軍国主義のもと発動された侵略戦争により、中国では3500万人以上が死傷した。そしてこの悲劇を招いたのは他でもない、国際法廷で裁かれた戦犯である。日本政府を含む世界各国が、この判決を等しく支持している。父母が死んで心が痛まない家族があるだろうか?その限りない心の痛みは、必ず記憶しなければならない。中国の民衆は寛容さを尊ぶ。この不幸な過去のできごとを再び持ち出そうとは思わない。しかし一部の政府要人が、自分の父母をかつて傷つけた人間を参拝するのを目にすれば、やはりどうしても感情的に受け入れられない。これは人類に普遍的で自然な感情だ。目下の「政冷」はすでに両国の経済貿易関係をも損ない始めている。これは私たちが目にしたくない状況だ。 中国政府は終始一貫して、平和、友好、相互両得を望んでいる。今年3月、胡錦涛主席が日本の日中友好7団体の責任者と会見した際、中日友好を発展させる中国政府の積極的な姿勢と誠実な意志を再び明確にした。温家宝総理も中日関係をさらに進める3つの考えを提示した。これらは、中国の指導者が中日関係を非常に重視し、両国関係の改善のために建設的な努力払っていることを、充分に示している。 現在の情勢では、中日経済貿易関係をさらに一歩発展させるには、次の3つが必要だ。 (1)貿易と投資の安定した成長のために、良好な政治環境を作り出す。 (2)長期的な視野で発展を考える。たとえば、中国商務部と経済産業省が「2国間の経済貿易協力中長期発展計画」について行った総合研究など。 (3)省エネルギーや環境保護分野での協力など、新たな協力の領域を開拓し、新しい成長のポイントを見つけ出す。 「人民網日本語版」 2006年6月2日 |