中国人事科学研究院がこのほどまとめた「中国人材報告」によると、3年後の2010年に中国の専門技術人材需要が6000万人に達するのに対し、人材供給は4000万人にとどまる見通しだ。このうち、第2次産業の人材不足が最も深刻で、不足人数は1220万に達するとみられる。 ■自動車サービス人材が全体的に不足 中国自動車人材研究会事務局の湯海山副主任によると、第11次5カ年計画(2006~2010年)期間中の人材不足は、研究開発分野で50万人、修理分野で80万人という。同副主任は、今後5年で自動車産業では、研究開発、販売、修理、管理などの各分野で全面的な人材不足に陥ると予測する。 ■航空業界でも24万人不足 国際航空運送協会(IATA)の予測によると、将来の20年に中国は2400の新しい飛行機が必要になる。航空機1機に対する従業員数は世界平均で100人、中国では200人となっているが、国際基準で計算しても、中国の航空業界では今後20年間で少なくとも24万人の人材が必要となる見通しだ。 ■機械と電子に通じた人材必要 電子ハイテク技術の急速な発展に伴い、生産の自動化も進んだ。機械産業と電子産業の一体化は、今後の機械工業技術と商品開発の主要傾向であり、中国機械工業が発展する上でも避けては通れない。 求人情報サイト「智聯招聘網」の統計によれば、機械と電子の双方に通じた人材に対する需要は北京市が最も大きく、毎月200人余りに達する。このうち、技術分野が40%、販売分野が30%、顧客サービス分野が20%、管理分野が10%となっている。業界別では製造、バイオ製薬、環境保護、消費財の各分野の需要が大きい。 ■保険計理士も有望 一方、中国保険監督管理委員会の関係責任者によれば、保険業界などで確率?統計などの手法を用い数理分析を行う保険計理士(アクチュアリー)が100人余りしかいないという。外国保険会社の進出に伴い、今後5年で5000人の人材が必要になる見通しだ。 保険計理士の活躍する分野は、一般の保険業界にとどまらず、社会保険、投資、人口分析、経済予測などの領域にわたる。 ■看護学生は就職に困らず 衛生部の統計によると、中国における看護士数は2015年に232万3000人に達する見通しだ。毎年11万5000人の純増が見込まれ、看護学を学ぶ学生にとっては就職先が広がりそうだ。高齢化に伴い、老人医療分野の人材が注目を集めるほか、保健指導を行う医師や介護人材も需要が高まりそう。このほか、個人サービス専門の看護士に対する需要も高まるとみられる。 ■素材開発分野にも注目 第11次5カ年計画の期間中、新素材に代表されるハイテク技術分野を重視する産業政策が、新素材産業の発展を促すことは間違いない。同時に国内基幹産業、ハイテク産業分野で新素材に対する需要も高まる。こうした背景から、新素材の研究開発に携わる人材が企業の注目を集めている。 「人民網日本語版」2007年5月31日 |