今年の1-4月の中国の対外経済貿易のデータを分析した際、国家発展改革委員会(発改委と略称)経済貿易局は、1月4日から4月30日までに、人民元の対米ドル基準値はあわせて1.32%上昇したが、これは国際市場における中国製品の競争力を弱めることはない、と表明している。 そのデータによると、ドル以外の主な貨幣に対する人民元レートは相対的に低下したものとなり、ある程度において中国の輸出商品の競争力を強化している。07年1月4日から4月30日までの人民元の対米ドル基準値は1.32%増となったが、人民元の対ユーロ基準値は2.01%減、対ポンド基準値は0.71%減、対マレーシアリンギット基準値は1.76%減、対オーストラリアドル基準値は3.8%減、対カナダドル基準値は3.73%減、対タイバーツ基準値は6.72%減となっている。 同時に、中国大陸部とアメリカ以外の諸国との二国間貿易額は軒並みに増えている。1-4月に、中国?ヨーロッパ二国間貿易総額は昨年同期比29.5%増の1036億ドルで、中日の二国間貿易額は昨年同期比15.4%増の738.4億ドルとなり、香港、ASEAN、韓国及びカナダなど主な貿易相手国との二国間貿易額も20%以上の増加というペースで増えている。 中国国際貿易促進会委員会北京市分会の副会長、対外経済貿易大学の儲詳銀教授は『第一財経日報』のインタビューに答えた際、次のように述べた。 理論的には、人民元の対米ドル基準値の値上げは貿易額の削減をもたらすとされているが、実際はそうではない。中国の3分の2以上の対外貿易は加工貿易である。ドルの対人民元基準値の切り下げは、中国の加工貿易企業の原材料及び部品などのコストを引き下げ、人民元の対米ドル基準値の切り上げによって上昇した人件費のコストを部分的に相殺することが可能となる。 これからも、中国の貿易黒字は拡大しつづけると見られている。加工貿易企業は生産規模の拡大を通じて、1単位の利潤率が減少してもトータルの利益が儲けとなる局面を保つことになろう。同時に、ドルの軟調によって、その他の貨幣に対する人民元の切り下げは中国製品の国際的競争力を増強し、中国製品の輸出量を増やすこととなるに違いない。 「チャイナネット」2007年5月31日 |