北京市で開かれた「2007中国北京国際省エネ環境保護展覧会」では、廃棄された包装袋を加工して作ったフェンス、石炭灰を混ぜた壁材などで建築された面積300平方メートル余りの農民の生態住宅が、見学者の注目を浴びた。北京市近郊の多くの農民は、自宅が省エネ農家に生まれ変わることを心待ちにしている。 北京市では、政府と市民にとって、エネルギー節約と廃棄物の排出削減が共通の追求目標であり、自発的な取り組みが始まっている。 北京市発展改革委員会によると、2006年から北京市の政府機関は先頭に立って、エネルギー節約に取り組んでいる。54の政府機関に対し省エネ診断を実施し、10カ所を省エネ改革モデル機関に指定した。 これまでに、北京市の政府機関における省エネの取り組みは、18区県に広がった。2006年、北京市政府機関は8%の省エネ目標を掲げた。今年は54の政府機関で、数値目標を設けた改革を進め、政府機関省エネ指導意見をまとめる。また、オフィスビルの断熱、空調、暖房、照明などの改善を進め、特に職場に環境にやさしい照明を導入する。 また、北京市は今年から「固定資産投資項目省エネ評価審査管理弁法」を導入し、建築面積2万平方メートル以上の公共建築、同20万平方メートル以上の住宅建築、その他年間のエネルギー消費量が石炭換算2000トン以上の新規プロジェクトに対する審査を実施している。新規の建設プロジェクトでは省エネ設計基準を厳格に適用しなければばらない。また、建設工事の過程で省エネ設計基準が守られているか監督を強化する。 多くの北京市民にとって、クリーンエネルギーの使用も身近になっている。 2006年に北京市郊外の村500カ所余りと農村道路60本に太陽エネルギーを使った街路灯がお目見えした。また、建設済みまたは建設中の大?中型メタンガス発生施設は38万カ所、穀物の茎を使った集中暖房システムが51カ所、生物質を使った成形燃料を使った炊事設備や暖炉が2万台に達し、農家10万世帯でクリーンエネルギーが使用されている。 最も取り組みが進み、「中国生態第一村」と呼ばれる北京市大興区長子営鎮留民営村では、メタンガスを使った農業循環システムが構築された。ニワトリ、乳牛、豚などのし尿を原料とし、毎日300立方メートルのメタンガスを生産して、村全体の251世帯の需要を満たしている。副産物のメタン化合物も面積約38ヘクタールの有機野菜畑に肥料として提供されている。村では野菜販売だけで年間売上高が1000万元に達する。 政府の出資、政策指導、市場化モデルにより進められた「北京市緑色照明工程」では、3年間で180万個の省エネ照明灯の普及に成功した。同市の第二環状道路の内側にある公衆便所1263カ所、小中学校2000校余りのほか、地下鉄全線の駅70カ所に省エネ照明灯が設置された。試算では、180万個の省エネ照明灯で節約可能な電力は年間3900万キロワットアワー、電気料金にして2800万元に上る。また、削減できる二酸化炭素排出量は3万8700トン、二酸化硫黄は1164トン、窒素酸化物は1700トンに達する。 「人民網日本語版」2007年6月11日 |