イギリスの『フィナンシャル?タイムズ』誌は、このほど掲載した文章のなかで、「最新の世界労働生産性ランキングでは、中国の同指標の伸び率は世界でトップとなり、これは日本に利益をもたらしている」という見方を示した。 米コンファレスボードが先般発表した研究レポートによると、2006年の米国の労働生産性伸び率はわずか1.4%であった。一方で、中国、インドおよび東ヨーロッパなどの新興国はきわめて高い伸び率を維持している。 中国の昨年の労働生産性伸び率は世界トップの9.5%、インドは6.9%、EUの新規加盟12カ国の平均レベルは4.1%となった。中国の旺盛な市場ニーズが日本の労働生産性伸び率に2.5%の上昇をもたらすことになっている。 2000年以降の初めての力強い経済成長を背景に、ヨーロッパの労働生産性は昨年改善が見られた。しかし、北ヨーロッパ諸国とドイツの労働生産性には一定の改善が見られたものの、南ヨーロッパの国々の労働生産性は低迷傾向が続いている。スペインやイタリア、ポルトガルにおいては、経済成長は就業率の上昇によって生み出されたもので、経済効率の向上によるものではない。 米国の昨年の労働生産性伸び率は10数年来の最低水準となっており、時間あたり生産額の伸び率はEUと日本を下回るものとなっている。経済成長の減速や就業率の急速な上昇を受け、2006年の米国の労働生産性伸び率がわずか1.4%にとどまった。 米コンファレスボードのチーフエコノミストであるゲイル?フォスラー氏は、米国の労働生産性伸び率の低下は、周期的なものである可能性が少ないし、サービス業の低迷に原因がある可能性も少ないため、ITと通信技術の生産力への長期的な影響については疑問を感じざるを得なくなる、としている。 ゲイル?フォスラー氏はまた、労働生産性伸び率の低下傾向が続けば、「たとえ緩やかな経済成長の環境においても、米国の経済はすでに限界に近づいている可能性があるという見方を示した。 ここ3年、米国の労働生産性伸び率は2002年と2003年の半分に低下し、日本に比べるとその違いははっきりしている。コンファレスボードの比較可能なデータによると、日本の製造業の輸出が大幅な上昇となり、日本の労働生産性伸び率も上昇し続けている。 2006年の日本の労働生産性伸び率が2.5%となった。その原因として、日本の製造業が在来の輸出市場以外に、新興の中国市場の旺盛なニーズがあることはその背景にある。 「チャイナネット」2007年2月2日 |