中国では、旧正月(春節)の過ごし方は、地方によって違いますが、伝統的なものが受け継がれている中で、変化が生じつつあると見られています。 春節といえば、家族みんなで食事をしたり、爆竹を鳴らしたりしますが、自分の息子や娘がなんらかの原因で故郷に帰れない、またはそもそも子供がいないというようなお年寄りにとって、かえって寂しさを増す時間になってしまいます。 春節を一人で過ごすお年寄りのために、中国四川省の成都で、「ひとり暮らしのお爺さんやお婆さんと一緒に食事 をしよう」というボランティア活動が行われました。大晦日の夜、お年寄りたちを招いて、食事をしながら事前に集めたボランティアとおしゃべりを楽しんでもらいました。それにより、春節という家族の集まりを重んじる祝日に、お年寄りは家族的な雰囲気を味わったとともに、若者との交流もできたわけです。 「食事中、私の隣に座っていたお爺さんは、インターネットに興味を持っていました。ちょうど、私の専門はコンピューターなので、パソコンの使い方とかインターネットを利用するときの注意点とかいろいろ教えてあげました。そして、お爺さんからは、昔の面白い経験などを聞くこともできました。春節をこのように過ごしたのは初めてですが、すごく有意義な過ごし方だと思います」(余さん?大学新卒) 年越しの食事のほか、廟会(日本の縁日にあたる)に行くのも慣習の一つです。北京の廟会は、およそ7百年の歴史を持っています。最初は、お寺で行うのが多かったようです。日本でお正月に神社へお参りに行くのと同じように、中国でもお寺などに行って、新しい一年の幸せを祈るのが一般的です。 近年、お寺以外に、公園や町の中でも、廟会が行われるようになりました。そこでは、演芸が行われたり、食べ物や正月飾り、伝統的なオモチャなどを売る屋台も多く出ます。 最近では、西洋風の廟会も現れてきました。北京の朝陽区には外国人がたくさん住んでいるので、春節に、西洋のカーニバルのようなものが行われています。そこでは、ヨーロッパやアメリカの歌?踊りが披露されるほか、西洋料理も楽しめます。 中国では、春節をはじめとする伝統的な祝日は、その雰囲気を失っていると言われていますが、このように新しい要素がどんどん加わってくることによって、今後も伝わっていくに違いありません。 「CRI」より 2007/02/28 |