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中国GDPの世界「4強」入りを理性的に評価する

投稿時間:2007年08月08日閲覧数:
改革開放から30年あまり、中国のマクロ経済情勢は日に日に佳境となった。特に199‥

改革開放から30年あまり、中国のマクロ経済情勢は日に日に佳境となった。特に1996年末の中国マクロ経済の「軟着陸(ソフトランディング)」の実現以来10年間、中国経済は「高度成長、低物価」の続く輝かしい実績をあげ、中国経済は10年前の「大起大落」という周期的な成長特徴から完全に脱却した。2006年、中国のGDP成長率は10.7%となり、GDP総額は初めて20兆元の大台を突破した。中国のマクロ経済のこのような発展に、多くの人が楽観し、興奮した。また、あるメディアは「ドイツを追い越し、日本に追いつこう」というスローガンまで口にした。

確かに、GDP総額から見れば中国は2005年にすでに英国、フランス、イタリアの3カ国を超えている。人民元高に支えられて、2007年にはドイツを上回るかもしれない。すでに日本と米国を超える日を計算しているメディアまである。しかし、私たちが考えるべきなのは、ドイツ、英国、フランス、イタリア各国の人口は数千万人であり、日本の人口も一億人あまりだということだ。これらの国は国土面積は小さいが、本物の「経済強国」であり、一人あたりGDPは3万~5万ドルに達する。一方、中国の人口は13億人で、国土面積は960万平方キロメートルに達する大国だ。たとえ人民元高(もしくは人民元の過大評価)があったとしても、また最近10年間の経済が速いスピードで持続的に成長するという有利な条件があったとしても、中国の2006年における1人あたりGDPは2千ドル前後でしかない。

周知のとおり、米国、日本、西欧先進国は最も早く工業化を成し遂げた国であり、現在これらの国は情報産業とハイテク技術を主とした新経済時代に入りつつある。その主な特徴としては▽先進的なGDP構造と労働力構造をもつ▽生産効率、エネルギー節約、環境保護、社会保障などの分野において功績がある――などがあげられる。

中国は発展途上の経済大国ではあるが、経済強国ではない。中国のGDP総額は世界第4位となったが、一人あたりGDPは世界第100位前後で、下層に位置している。このような経済発展の客観的現実が、中国の産業構造の水準と現在の西側先進国の間にある大きな格差を決定付けている。

中国の労働力就業構造とGDP構造には、はっきりとした「アンバランス」という特徴が見られる。現在、中国の労働力の約半分は伝統的かつ低効率な農業生産に従事している。彼らは中国の人口13億人の食糧問題のために苦労し、奔走しているが、彼らの生み出す生産高はGDPの15%を占めるにとどまっている。つまり、労働力の約半分が生み出すGDPがわずか15%前後ということになる。これが農業が低効率であることを示す真の「肖像」なのだ。

これと同時に、第二次産業がGDPに占める割合は50%に達するが、第二次産業に従事する労働力は全体の約20%を占めるにとどまっている。これも「アンバランス」の一つだ。20%の労働力が50%近いGDPを生み出している!これは、工業の「生産額」の「虚高(人為的に拡大したこと)のせいなのか、それとも工業の生産効率が非常に高いからなのか?私はこのような現象を「生産額の工業化」と呼ぶべきだと考える。

長い目で見れば、中国のばく大な農業労働力、および農業、農村、農民という「三農問題」は依然として、中国経済の成長モデルの効率的な転換における最大の難題だ。中国の工業GDPの割合が50%以上に達しても、中国は事実上農業人口大国であることに変わりはない。このことが矛盾の根源となっている。同時に、エネルギー節約と環境保護も依然として極めて困難な任務である。

しかし、中国政府はすでに一連の産業政策を打ち出すとともに関連措置を講じ、現実に存在する上述の問題の解決に力を入れている。このような背景と前提の中で、GDP総額が20兆元を突破したことは、中国経済が21世紀のスタートに新たなプラットフォームに立ったことを示している。中国は今後、経済成長の質をさらに重視し、ハイテク技術を利用した、汚染のない第三次産業を発展させ、第三次産業をばく大な労働力の貯水池とし、第三次産業の労働力の受け入れ能力を拡大し、第三次産業をさらに大きくして中国産業構造のレベルアップを図り、都市化のプロセスと都市?農村の一体化に向けた発展を効果的に推進し、調和の取れた社会と経済の繁栄する持続可能な発展を促進していく。(文:武漢科学技術大学文法経済学院 董登新教授)。

「人民網日本語版」2007年3月5日

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