国家送電網会社が先般発表した研究レポートでは、急速に伸びつづける電力需要を満たすと同時に、過剰投資を回避するため、「十一?五(第11次五カ年計画、2006~2010年)」期の中国の年平均発電容量の伸び率は10.5%に維持されることになるとし、それ以後の「十二?五(第12次五カ年計画、2011~2015年)」と「十三?五(第13次五カ年計画、2016~2020年)」期はそれぞれ6.7%、4.17%に低下するという見通しを示した。 この『エネルギー基地建設および電力中長期発展計画に関する深層研究』と名づけられたレポートでは、2010年末までに、中国の電力需要は3.81億キロワット時に達し、発電総容量は8.52億キロワットとなる。「十二?五」期の新規増加発電容量は2.87億キロワット、2015年末の発電総容量は11.2億キロワットに達すると予想されている。「十三?五」期の新規増加発電容量は2.34億キロワット、2020年末の発電容量は13.3億キロワットとなる見通し。 このレポートはまた、電力施設の整備は電力需要をやや上回る水準にするべきとし、目標達成のため、社会全体の電力需要の増加について正確に予測しなければならないと指摘した。 電力の需要水準は経済の発展、社会?経済構造の変化、エネルギー資源の需給状況、エネルギー消費構造などさまざまな要因の影響を受けている。中国経済の望ましい発展の趨勢の下で、電力消費の伸び率はエネルギー消費総量のそれを上回ると見られ、「十一?五」期の電力消費の年平均伸び率は9%に達し、同期のGDP成長率を上回ることになる。「十二?五」と「十三?五」期の電力需要の伸び率はそれぞれ5.8%、3.9%に低下し、同期のGDP成長率を下回ると予測されている。 中国電力企業連合会事務所長は先般、記者の取材を受けた際、次のように述べた。2006年の電力供給は基本的に電力需要を満たしており、電力不足の状況はいくらか緩和した。2007年に新たに稼動する発電ユニットの容量は7500万キロワット以上となると見られ、電力不足の状況は一層緩和することになる。同時に、発電設備への投資は国民経済発展の速度と一致したものにするべきであり、過度の投資によって生産能力過剰の状況がもたされることは望ましくない。 電力構造についてレポートは、クリーンエネルギーの比率を増やし、石炭?ガス発電ユニットの比率を減らし、水力発電、原子力発電および新エネルギー発電などクリーンエネルギーの利用量を増やすべきであるとしている。 このレポートは、「十一?五」から「十二?五」期には、石炭発電の比率は6ポイント、ガス発電は0.1ポイントさがる一方、水力発電の比率は2.7ポイント、原子力発電は1.1ポイント、風力発電など再生可能エネルギーは1ポイント増えると予測している。 「チャイナネット」2007年3月27日 |