中国人民銀行金融研究所元名誉所長の趙海寛氏は先般、『中国産経新聞』記者の取材を受けた際、人民元の国際通貨になる条件はすでに熟しており、中国政府は人民元の国際通貨化プロセスの加速に力を入れるべきであるとの見解を示した。 2006年、中国のGDPの伸び率は10.7%で、経済総量はすでに世界で4位となり、外貨準備高も1兆ドルを突破した。東南アジア金融危機の中で、中国は人民元の切り下げをしないという原則を貫いた。これらはいずれも人民元の国際イメージを向上させ、人民元はかなり高い信用度のある通貨となった。 関係専門家は、1国の貨幣が国際通貨になるには、必ず強大な経済力、高い信用度、そして先進的な銀行システムが備わっていなければならないと指摘している。 趙海寛氏は、中国の充分な経済力と望ましい経済成長の勢いは人民元の国際通貨化のために確固とした経済的基盤を打ち固め、良好な国際信用度は人民元の国際通貨への仲間入りのための条件を作り出すことにもなった、と分析している。 中国政府の銀行業改革から見ても、ここ数年、中国は国有銀行に対して株式制改造を実施しており、交通銀行、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行が上場を果たし、三大国有銀行の国有株の時価総額も2兆1000億元に上っている。そのほか、中国のWTO加盟後の5年の移行期が終わり、中国の銀行業は全面的に対外開放され、国有銀行は外資系銀行との競争の中でさらに鍛えられ、業務革新能力やリスクコントロールなどの管理レベルも高まると見られている。したがって、趙海寛氏は、銀行システムも人民元の国際通貨化に可能性を提供することになる、としている。 人民元が国際通貨になる条件はおおむね熟しており、人民元国際通貨化の最後のハードルは資本項目下の自由交換の実現である。 そのため、趙海寛氏は、政府が人民元の資本項目下の自由交換を早期に実現させ、人民元の国際通貨化を一歩前進させ、金融業の対外開放レベルの向上を促すよう提言している。 「チャイナネット」2007年3月23日 |