中国の知的財産権保護などの問題について、人民日報はこのほど、商務部副部長で国家知的財産権保護作業チーム弁公室主任の姜増偉氏を取材した。 (一) 行政?司法両面からの保護 ――中国は2001年にWTOに加盟した際、知的財産権保護を進めることで合意した。6年近く経って、進展具合はどうか? 姜副部長: 中国は一貫して責任ある態度で知的財産権の保護活動を積極的に進めてきた。長年にわたり、とりわけWTO加盟後は、社会全体が協力して知的財産権保護は大きく進展した。 中国は、国際慣例に則し、保護対象が比較的揃った知的財産権関連法律法規体系を確立し、整備した。2001年のWTO加盟前後には、知的財産権関連の法律法規と法解釈を全面的に見直し、WTOの「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPs)や、その他の国際規則と一致させた。中国は2006年、「世界知的所有権機関(WIPO)著作権条約」(WCT)、「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約」(WPPT)に正式加盟するとともに、「情報ネットワーク配信権保護条例」を公布、「専利法」(特許法)の第3回改正に関する提出案を完成させた。 権利保護の実践においては、行政と司法という2つのルートから保護し、これらを並行運営していくモデルが形成されている。知的財産権保護をさらに強めるため、中国は2004年に国務院副総理を責任者とした国家知的財産権保護作業チームを立ち上げ、全国の知的財産権保護協力活動を統一してリードしている。 (二)統一の通報受付電話設置 ――昨年の知的財産権保護活動について、どのような成果が得られたか? 姜副部長: 中国は2006年の知的財産権保護活動で、実り多い成果を得た。「2006年中国知的財産権保護行動計画」に従い、国家知的財産権保護作業チームは全国50都市に知的財産権に関わる通報?苦情サービスセンターを設置、さらに通報?苦情受付電話「12312」を設置した。昨年末までに受けた通報?苦情件数は1288件で、問い合わせ件数は2万件以上に上った。 ソフトウェアの正規版化を強く推進した。財政部、情報産業部、国家版権局、商務部は規定を公布し、国内で生産?販売されるコンピュータには正規版OSをプレインストールするよう求めた。国家版権局など8部門は共同で、「企業の正規版ソフト利用を推進する活動に関する実施方案」を公布した。 知財権保護に特化した活動を展開した。知的財産権の法執行部門は「陽光行動」、「青空展会行動」など7つの取り締まり活動を展開、犯罪行為を効果的に取り締まり、権利者の権利を保護した。 行政による法執行と刑事司法のリンクを引き続き強め、知的財産権関連の立法にも進展があった。国務院は「情報ネットワーク配信権保護条例」を公布、最高人民法院(最高裁判所)、最高人民検察院は声明を出し、音楽?映像レコード製品の知的財産権を侵害した場合の量刑基準を明確化した。最高人民法院はまた、不正競争、植物新品種、権利衝突、音楽とテレビ番組に関する案件という4つに関し司法解釈を定めており、うち2件は今年初めにすでに公表されている。 (三)今年は司法による保護強化 ――今年の知的財産権保護活動の特徴は何か? 姜副部長: 2007年の中国における知的財産権保護活動には、ある目立った特徴がある。それは司法における保護を強めるということだ。 まず、知財権に関わる違法行為の審判に重点的に力を入れる。次に、法律の適用問題に対するチェックと監督を強化する。重点的な監督対象となるのは、各裁判所で基準が一致していない案件、法律適用上普遍的意義を有する案件、特許?商標の司法審査による権利確定の一般的基準に関わる案件であり、相互に関連する案件の共同処理を強め、「案例指導制度」(典型的な案件事例を、その後の類似裁判の参考とする制度)を確立?整備する。第三に、部門間の協力を引き続き密にし、知財権に関わる違法行為を強い姿勢で取り締まる。 「人民網日本語版」2007年5月10日 |