国家気候センターの董文傑主任はこのほど「チャイナネット」のインタビューを受けた際、わが国のこれまで50年間の気候の変動について研究した結果、冬季が短かくなり、夏季が長くなり、冬季の到来が遅くなったことが明らかになった。気候変動が季節の変化をもたらし、人類の生活に影響を及ぼしている、と語った。 海底3000メートルのところにも温暖化の兆し 学術調査では、これまでの100年間に、世界の温度は0.74℃上昇したことが明らかになっている。単なるデータを見れば、この1℃足らずの上昇は人類に何の影響をもたらすことになるのかと思うかも知れないが、説明しなければならないのは、これは一日の変化、あるいは一つの地域で起こった変化ではなく、地球全体の平均の変化である。この変化がもたらした影響は非常に大きなものである。一部地域の温暖化現象に対して、ある地域では気温が下がっている。最新の調査では海底3000メートルのところにも温暖化の兆しが現れている。 気候の変動は生態系に直接影響を及ぼしている。氷河、雪、海岸線などを見れば、この0.74℃がなにを意味しているかがよくわかることになろう。 今年の夏に入って以来、世界の気候は非常に異常である。欧州の中部と南部が猛暑、イギリスは豪雨に見舞われ、中国の重慶、山東省の済南などが相次いで百年に一度の豪雨に襲われた。これは気候変動のもたらした結果なのだろうか。 気候変動と先進国の借り 極端な気候による災害の原因に、一つは気候の自然変化、温暖化があってもなくても、人類の活動があってもなくても気候は依然として変化する。人類が現れていなかった時でも、気候は変化していた。しかし、もう一つの新しい原因は、人類の活動がもたらした地球の温暖化、特に温室ガスの排出で、自然界の変化をさらに促すことになった。即ち極端な気候による災害の発生は地球の温暖化と密接な関係がある。 経済学者の推定によれば、天候異常による災害の損失の70%はそれである。その上に、その影響は50年間と長期間続いている。1960~70年代に排出したCO2は今も地球上の生命に影響を及ぼしている。それゆえに「京都議定書」と「国連気候変動枠組条約」はいずれも先進国に先に温室効果ガス排出の減少を要求している。 一部の先進国は発展途上国の排出減少に?力を貸している?のではなく、その責任を果たしているのである。過去の排出行為は現在の人々の生活に影響を及ぼし、われわれの生存と発展に影響を及ぼしている。今日の率先行為は過去の借りを返済することなのである。 「チャイナネット」2007/08/03 |