内蒙古自治区は全国的に見て砂地化、砂漠化、荒地化が集中している地域で、被害が最も深刻な省(自治区)の一つであり、自治区内には4大砂漠、4大砂地があり、砂地は自治区全域に分布しており、自治区経済の持続可能な発展を制約し、北京や天津など北方地区の生態の安全に深刻な脅威を与えている。長期にわたって、自治区政府は砂漠化対策事業を高度に重視し、人々を広範に組織、指導して、たゆむことなく砂漠化対策事業を展開している。特に国の西部大開発戦略の実施以降、自治区は砂漠化対策を生態保護における最重要項目として、数多くの砂地化防止生態保護プロジェクトを実施している。 一 主要な成果 2000~2006年、自治区の砂地整備完了面積は2.6億ムー(15ムーは1ヘクタール)に達し、1999年比荒地化面積は2400万ムー、砂漠化面積は730万ムー減少し、砂地整備は歴史的な成果を上げている。 (一)防護林、工業原料林、飼料林、エネルギー林、砂地薬用植物などの植林、栽培を通じて、単一的な牧畜業、食糧農業の構造から、林業、食糧農業、牧畜業、飼料、経済という多元構造への転換を図っており、家畜頭数も回復、増加傾向にある。 (二)灌木と草本を主とした防護林システムの構築に力を入れている。植生が大幅に増加した結果、砂嵐の強度を減衰させることができ、その被害も低減している。プロジェクト実施の対象となっている砂地の草産出量は0.5~3倍向上し、牧草の高さも4.7~22.6cm高くなり、植生カバー率は平均50%以上増加した。 (三)砂漠産業を発展させたことにより、農村余剰労働力の第二次産業、第三次産業への移転が可能となり、農民、牧畜民の収入が増加した。2006年度における全自治区農民、牧畜民の砂漠産業からの収入は300余元に達している。 二 主要な方法 (一)自治区政府は長期にわたって、灌木と草本を主とし、喬木、灌木、草本を結び付けた防護林システムの構築を明確にしている。2001年から開始された灌木の造林は自治区当該年植林面積の70%以上を占め、草本植生を有効に増加させて、砂地整備の効果を向上させている。 (二)牧畜業の生産方式を転換し、砂地整備の効果をさらに強固にしている。自治区政府は、生態システムの自然回復機能を働かせて、有効な措置を講じて植生の自然回復を図っている。もう一方では牧畜業の生産方式を転換して、国家重点生態プロジェクト区、自然保護区、生態移民プロジェクト、封鎖育成区、深刻な砂地化地区と生態系の脆弱地区、農業区での放牧を禁止し、草原の牧畜区では牧草と家畜のバランスをとる規制を厳格に実施し、禁牧、休牧、輪牧を推進して砂地対策の効果を強固にしている。 (三)砂漠産業の発展に力を入れ、砂地整備を効果的に促進している。自治区政府は生態系保護を推進すると同時に、積極的に砂漠産業を発展させ、企業の増益、農民、牧畜民の増収実現に努力している。現在、自治区には山杏仁、砂棗、クコなどの食品、薬品加工企業、砂ヤナギなどの灌木を原料とした合板製造、製紙、ヤナギ編製品製造、灌木飼料加工工場など30余社があり、20余万人の就職問題を解決し、初歩的に生態保護と産業発展の良性連動環境を形成している。 三 今後の構想 砂地整備は自治区の経済発展に関わる事業であり、今後も依然として大量の課題に直面している。自治区政府は以下のことに全力を上げて取り組んでいる。 砂漠産業の発展を加速する。自然の法則、経済法則に基づいて、資源生産能力を維持、向上させ、新たな砂地化を防止すると同時に、充分に砂地のバイオエネルギー、光エネルギー、風エネルギーなどの資源を活用して、節水灌漑農業、緑色産業、生態経済林業、薬用植物栽培加工業を主とした砂漠産業を振興させる。 自然の景観、交通、サービス施設条件を改善し、砂地観光業の発展を推進する。砂地整備過程での開発利用を通じて、砂地整備の持続可能な発展の能力を増強する。 内蒙古自治区の砂漠対策事業は一定の成果を上げているとはいえ、土地の砂漠化趨勢はなおも厳しい。生態系の脆弱さ、砂地化防止の困難さ、事業の長期性などによって、砂漠対策は依然として任務は重く、道のりは長い。自治区政府は中央の社会主義新農村建設の要請に基づいて、農民、牧畜民の生産条件と生活レベルの向上、収入の安定的増加、生産の安定的発展を確保し、生態系を好転することに自信を持っており、内蒙古を祖国北辺の重要な生態系障壁に構築するために努力している。 「チャイナネット」2007-07-06 |