月周回探査プロジェクトで総設計士を務める孫家棟氏は4日、中国政府網の記者の取材を受け、中日両国の月探査の水準はほぼ同じ段階にあり、どちらにもより優れた部分があるとの見解を示した。以下、孫氏の主な発言内容。 今年9月、日本は月探査衛星「かぐや」の打ち上げに成功した。これは1990年の月探査衛星「ひてん」打ち上げから、1996年から2007年まで研究開発が続けられた「LUNAR-A」を経て、3つ目となる月周回探査プロジェクトだ。一方、中国は今回が初の月探査プロジェクト、初の月探査衛星となった。2004年1月のプロジェクト起動から07年10月の「嫦娥一号」打ち上げまで、4年以下という短期間で準備がなされた。 現在、中国と日本が発表している月探査計画には類似点が多い。大まかに言えば、両国とも「周回」「着陸」「帰還」という線をたどっている。このことは、両国の宇宙技術に対する認識が総体的に見て一致していることを示している。中日両国は、月周回探査で展開する具体的な科学ミッションでも類似点を持つ。月全球のマッピングや月資源の調査、地球?月間の宇宙環境観測などの主要ミッションは両国に共通するものだ。両国は月探査を開始したばかりの段階にあり、類似した科学ミッションを選択する傾向にあると言える。 他方で、両国のプロジェクトにはそれぞれ自らの創意をこらした科学ミッションも設定されており、両国の科学者の独特な想像力を表している。「嫦娥一号」のマイクロ波による月土壌特性の観測と、「かぐや」の2つの子衛星を利用した月の裏側を含む月球重力場の観測は、どちらも世界初となるミッションだ。 「人民網日本語版」2007年12月5日 |