中国人民銀行(中央銀行)は7日、「中国金融安定報告(2005)」を発表した。同報告は、中国の金融情勢は全体的に安定しているとの判断を示しつつ、金融の安定を維持するには10の問題点に重大な関心を払う必要があること、特に経済成長モデルの転換に注目すべきことを強調している。 同報告によると、現在中国の金融情勢は全体的に安定しており、歴史的要因によって形成されたリスクが効果的に処理され、金融の安定メカニズムが形成、改善されつつある。 同報告は、現在、金融の安定維持に向けて重大な関心を払うべき問題点として次の10点を提起する。 (1)経済成長モデルの転換 (2)直接融資と間接融資のバランスの取れた発展 (3)隠れた財政赤字の問題 (4)資金価格の引き締めと緩和 (5)金融機関の企業統治(コーポレートガバナンス)の改善 (6)産業や市場の枠を超えた金融業務のリスクの監視、管理 (7)金融機関のリスク処理における資金調達対策、道徳的リスク対策 (8)金融インフラの構築強化 (9)金融をめぐる生態環境の改善 (10)経済と金融のグローバル化によるオーバーフロー効果 中国は今後▽金融の安定指標システムおよびリスクの早期警告システムの構築▽金融システムのぜい弱性に対する監視?評価方法の改善▽複数の業界、市場、地域にまたがる金融リスクへの密接な追跡▽さまざまな金融アクシデントへの対応マニュアルの制定▽タイプ?範囲?レベルの異なる金融リスクへの迅速な対応メカニズムの構築――などを行う。 人民銀行は今後、「中国金融安定報告」を各年度ごとに発表する予定。「中国人民銀行年報」「中国通貨政策執行報告」と並び、人民銀行が発表する三大重要報告の一つになる。 「人民網日本語版」2005年11月8日 |