近年、新疆ウイグル自治区はチベットカモシカに対する保護対策を強化し、自治区内の生息地と繁殖地を全部保護区に画定した。自治区政府は1983年に阿爾金(アルキン)山に最初の自然保護区を設置し、その2年後にそれは国家クラス保護区に昇格した。崑崙山中部で生息するチベットカモシカの群れを保護するため、2001年には中崑崙自然保護区が設置され、2004年11月には、専門家の提言に基づいて、和田(ホータン)の西崑崙地域にチベットカモシカ繁殖地自然保護区が設置された。3カ所の保護区の面積は783万?を上回り、新疆のチベットカモシカ生息地と繁殖地の全体をほぼカバーするものとなっている。 これら3カ所の保護区と青海省の可可西里(ココシリ)自然保護区、チベット自治区の羌塘(チャンタン)自然保護区は繋がるようになり、青海?チベット高原全域のチベットカモシカの保護に大きく貢献している。チベットカモシカは長距離移動の習性のある動物であるので、保護区の設置はチベットカモシカの野生種及びその生息地と繁殖地を効果的に保護するだけではなく、青海やチベットから移動してきたものも保護している。 自然保護区の管理を強化するため、自治区政府は近年何回もチベットカモシカ保護特別行動を実行し、密猟者を厳しく取り締まっている。これと同時に、チベットカモシカ保護と関連のあるさまざまな研究も進められている。昨年9月、新疆ウイグル自治区の林業部門と中国科学院新疆分院生態地理研究所が合同で西崑崙地区の野生動物資源の調査を行い、今年6~7月には自治区林業部門はまた国際野生生物保護学会とタイアップして西崑崙チベットカモシカ繁殖地自然保護区について突っ込んだ実地調査を行った。 「チャイナネット」2005/11/11 |