農業部の尹成傑副部長はこのほど、同部の総合分析を基に、中国の四大主要穀物がすべて増産を達成し、穀物総生産量は4億8千トンに達する見通しとの予測を示した。 昨年の中国の穀物総生産量は4億6945万トンで、2003年を3875万トン上回った。今年の穀物生産を押し上げたのは主に米(水稲)の増産だ。中国では人口の約60%が米を主食としており、過去の穀物不足の時期にも、最初に問題になったのが米不足問題だった。1980年代中期から1990年代中期にかけ、中国は2度のインフレに見舞われたが、いずれも穀物価格の上昇によって引き起こされたものであり、中でも米価の上昇が主因だったという。 尹副部長は、現在のところ食糧問題は順調に解決され、食糧の安全保障に影響する問題は見当たらないものの、同問題は今後もずっと軽視できないと指摘。今の時点から食糧問題を強調するのは、今後10年または20年という長期的な視点で捉えるためであり、毎年の備蓄を行うほか、農地改良がより重要になるとの考えを示した。 尹副部長はさらに「中国の1年間の穀物消費量は4億9千万トンであり、今年の生産量が4億8千万トンに達しても、なお1千万トンが不足する。この不足分は、備蓄で補わなければならない」と指摘した。 「人民網日本語版」2005年11月13日 |