中国を訪れた外国の皆さんにとって、都市部の交通渋滞は深く印象に残ることの一つでしょう。こうした状況は今後数年間で緩和される見込みです。このほど、中国政府は「今後、都市部で、交通渋滞を解消するため、公共交通を優先的に拡充していく」と表明しました。計画では、5年後、都市部住民が利用する交通手段における公共交通の比率は現在の20%から10ポイント増え、30%になるということです。 中国建設省の責任者によりますと、今後、中国で、公共バスや、トロリーバス及びレール交通などの公共交通を重点的に拡充させていくとのことです。中国社会科学院経済所の韓孟教授は「公共交通の発展は中国都市部の道路の利用率及び交通手段の輸送能力の向上にプラスとなり、自家用車の外出率減少と、交通緩和にもプラスとなる」として、さらに「公共交通の拡充は都市化建設で最も効率的な手段だ。自家用車と比べれば、輸送量は大きく、エネルギーの消費や汚染も少ない」と述べました。 現在、北京、上海、広州、南京、成都など大中都市のいたるところで交通渋滞が見られます。毎日のラッシュ時、道路は駐車場のように詰まっています。交通渋滞は住民の外出に影響をもたらすばかりではなく、その排気と騒音は生活環境にも影響しています。 大多数の住民は公共交通の優先的な発展に賛成しています。これについて、北京市民の張峰さんは「私は北京の北の郊外に住んでいるが、交通渋滞のため、出勤には1時間以上も必要だ。もし、鉄道があれば、私は必ずそれに乗って出勤する」と話しました。 現在、中国政府は都市部公共交通の発展のため、多くの優遇政策を提供しています。例えば、資金や税金、政策面で必要な支援を与え、建設に用いる土地の価格も低く抑えています。 現在、北京市は、すでに、2008年北京オリンピック開催まで、1800億元を投入して、交通の改善に全力をあげることを示しました。 現在の公共交通における諸問題は住民の交通機関の利用に影響しています。唐琳芸さんは、毎日バスで出勤していますが、彼女は「バス通勤は多くの不便がある。速度が遅く、時間を守らない。会社は家から遠いので、毎日早く家を出らなければならない。そして、込み合っているし、クーラーもなく、冬は寒く、夏は暑くて、すごく不便だ」と話しました。 現在、中国政府は都市の公共交通システムを優先的に拡充させていますが、自家用車の増加については制限を加えていません。公共交通をより多くの人に選んでもらうには公共交通システムを完備させ、サービスを改善していく必要があります。 「CRI」より 2005/11/24 |