今後の日中関係の発展のキーワードは何ですか、いかに日中関係の困難な現状を打開し、これを回復させるのかというますこみの質問に対し、王毅大使は次のように中国側の意見を述べました。 「まずはやはり日本の指導者の靖国神社参拝と言うネックになっている問題を善処する必要があります。中日関係がいわば二度目の関係正常化が必要になっていると語る人がいますが、私はやや同感です。要するに戦後の中日関係回復の原点をもう一度振り返り、その原則にのっとり、未来に向ける新しい中日関係の枠を作ることです。 そのもとで、私はさらに次のいくつかの努力を払う必要があるように思います。 一つ目は、新たな相互理解を深めることです。国交正常化33年来、中国と日本はともに大きく変化しました。また古いイメージで相手国を判断したら、ややもすれば間違いになります。お互いに相手の変化を正確に認識し、新たな相互理解を作ることが非常に大切であります。 二つ目は、戦略的判断を間違えないことです。長い目で見れば、中国の発展は日本に対し脅威にならなく、日本も中国の脅威ではないと思います。双方はいっそう信頼関係を増進し、友好協力を深める必要があります。 三つ目は共同利益を探求し、絶えず拡大することです。新しい時代において、中日の間にはさらに新たな共通利益を見出せると思います。たとえば、双方が環境保全や省エネなどの分野で協力を強化し、共同発展と繁栄を図っていくとか、朝鮮半島非核化の実現、核問題の平和的解決のために協力し合い、さらに北東アジアの恒久平和を築き上げていくことがあげられます。そして、中日はともにアジア地域協力を推進し、東アジア共同体とアジア一体化を実現させる責務があります。」 日本の記者は「これからはアジアの時代だと言われますが、日中両国はアジア地域協力の主導権を争っているとの見方もある。この問題についてどう見ていますか。」と聞きましたが、王毅大使は「確かにアジアの地域協力は歴史的発展のチャンスを迎えています。東アジアがその中で大きな役を演じるでしょう。そして、ASEANがその協力の重要な推進力である一方、東アジアのGDPの87%を占める北東アジアが、成否の鍵を握っていると言えるでしょう。中、日、韓三カ国の協力が非常に大切になってきます。 中日が東アジア地域協力で主導権を争うとは思いません。まず、中国はASEANが引き続き主導的役割を果たすことを支持します。それと同時に、日本が東アジア地域協力にもっと貢献することをわれわれが歓迎し、むしろ、もっと日本が建設的な役割を果たすよう期待しております。中日両国はそれぞれ強みを持ち、互いに補完し、力を合わせ、共に利益を獲得することが十分可能です。また、アジア地域協力のプロセスは開放的になるべきであり、地域内の協力を構築するとともに、アメリカを含め、数多くの域外の関係国との緊密な対話と必要な協調を続けていく必要があります。みんながwin winすることですから、主導権争い云々の話は切り捨てるべきだ」との意見を述べました。 「CRI」より 2005/11/25 |