10月17日、日本の小泉純一郎首相がA級戦犯が祀られている靖国神社を参拝しました。これが小泉首相が総理大臣に就任して以来の5回目の靖国神社参拝となっています。小泉首相の今回の参拝は日中関係にどんな影響をもたらしたかについて、日本のメディアは一様に関心を示し、いくつかの質問を出していました。メディアの質問に対し、中国の王毅駐日大使は一つ一つ答えました。中国の駐日本大使館はこれをまとめて、このほど発表しました。 小泉首相が靖国神社に参拝し、中国側が強く反発しています。「適切に判断する」と繰り返してきた首相の今回の靖国参拝について、王毅大使次のように答えました。 「靖国神社問題の核心は、A級戦犯が祭られていることです。 33年前に中日が国交を回復した時、日本政府が、かつての侵略戦争の責任を痛感し、深く反省すると表明しました。それに対して、中国政府は、あの戦争の責任が少数の軍国主義者にあり、普通の日本国民も被害者であったという立場をとりました。それをもって中国は戦争賠償の請求を放棄し、両国の国交が回復できたわけです。これは両国関係の原点とでも言えるでしょう。 いわゆる少数の軍国主義者は誰であるか、時の軍部の責任者で、東京軍事裁判でA級戦犯として裁かれた人々がその象徴的な存在であります。彼らはほとんど対中侵略戦争に深く関わり、例えば、うち4人が関東軍参謀長であり、3人が何々方面軍の司令官をも担当していました。その戦争の中に、数え切れない中国人が苦しめられ、殺されていました。 A級戦犯が靖国神社に祭られている以上、日本の総理大臣が参拝しに行くと、客観的な結果、あるいは対外発信として、あの戦争の正当化、A級戦犯の美化ということになります。日本の総理大臣は国の代表であり、私的参拝と言おうと、参拝の形式を変えようと、その政治性が否定できるものではないし、日本政府として、あの戦争に対して、どういう態度をとるかの象徴となります。そして、靖国神社自身は明らかにかつての日本対外侵略を肯定し、A級戦犯たちを賛美する立場、いわゆる"靖国史観"をとっています。日本の最高責任者が参拝すると、靖国神社の政治姿勢と歴史観に同調すると思われても仕方がありません。 私たちは小泉首相の今年8月15日の「歴史を反省する」談話を評価しております。しかし、靖国参拝という行動で自分の述べたことをみずから否定しているように見えます。アジア近隣諸国はその参拝の行為を見て、本当に日本が誠意を持って先の戦争を反省しているのかと疑わざるを得ません。ことに、今年は戦後60周年という敏感な年であり、日本の指導者があえてA級戦犯が祭られている靖国神社を参拝したことが、戦争被害国の国民の心、とりわけ最大の被害国、中国国民の心をもう一度深く傷つけたことになります。」 「CRI」より 2005/11/25 |