2005年の中日関係は負の情報が多く、危機が強く感じられた。しかし中日関係は旺盛な生命力を内包しており、堅い氷の下には希望が潜んでいる。今、まさに新たな突破口が模索されている。(上海復旦大学日本研究中心 樊勇明主任) 中日関係は確かに問題点はあるが、展望は必ずしも真っ暗ではない。小泉純一郎首相が靖国参拝を再三にわたって繰り返し、中日関係が前向きに発展する際の「しこり」となっていることは、周知の事実だ。だが、治りにくい病気があることと、活力が無いことはイコールなのか?答えは、ノーだ。中日関係は依然として前向きに発展している。理由は明らかだ。中日関係が全体的な国際情勢から遊離し、単独で展開することはできない。国際情勢が多極化する中で、中日両国が「協力すれば双方の利益に、争えば双方の害に」なることは言うまでもない。 良好ならざる中日関係は、すでに東アジア協力の発展にも影響している。今回の東アジアサミットで、多くの国が、中日関係について繰り返し憂慮を示したことは、偶然ではない。 日本の指導者たちにも賢明な人物は多く、中日両国の友好関係を発展させようと主張する人物も少なくない。これら賢明な人々は、小泉首相の一挙一動に絶えず批判の声を上げ、小泉首相が個人の信仰を国益より上位に置いていると非難している。さらに注目を集めるのは、「中国脅威論」を吹聴した国務大臣を、公の場で厳しく批判したのが、自民党の「重臣」であるのみならず、小泉首相と共に政権を築いた盟友でもあることだ。 親近感こそ減っているが、相互に補完しあう経済の基盤は不変だ。 確かに、中日両国の国民感情は変化している。日本の内閣府が12月24日付で公表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じる」日本人は32%と、1978年の調査開始以来、最低だった。過去最高だった80年の約79%と比べると半分以下だ。同時に、近年の中日関係を概観する「政冷経熱」という語を、政冷「経温」または「経涼」と呼び換える人もでてきた。 親しみを感じる人が減り、経済交流でも温度降下の黄信号が灯ったことは、もちろん良い事ではない。特に政治関係が打撃を受けている状況では、憂慮に堪えない。 けれども何事も、発展の過程は真っ直ぐな道ではなく、紆余曲折を経るものだ。 親しみを感じる割合が減ったのとは対照的に、両国間の人の交流はこの1年、非常に大きく発展した。中国から日本を訪れただけでも65万人に達した。「政冷経涼」の兆しとは逆に、2005年の中日貿易額は2千億ドルを越え、史上最高となった。中日貿易は、すでに日米貿易を凌駕している。 この矛盾した状況をどう説明すべきか?一言でいえば「経済による協力」だ。中国経済の成長は、日本経済が「失われた10年」の徘徊から抜け出す外的な力となった。逆の面からすると、薄煕来商務部長が述べたように、2千億ドルという貿易額は、中国で920万人の雇用を生み出した。こうした中日関係発展の基盤は、もっと大事にすべきだ。 さまざまな原因により、中日関係は望ましくない紆余曲折に直面している。しかし、対日友好を発展させるという中国の方針に変化はない。国際情勢の多極化や東アジアの協力進展、そして経済面での補完の必要性が、中日関係発展への内的な原動力になっている。 一大決心のときが訪れた。今こそ大胆な措置を打ち出し、中日関係の困難を早期打開すべきだ。 「人民網日本語版」 2005年12月30日 |