中国人民銀行(中央銀行)が15日公表した『2004年中国不動産金融レポート』で明らかにされたところによると、住宅価格の急上昇及び人民元切り上げへの期待などから、海外のホットマネーがさまざまなルートを通じて北京、上海など注目度の高い地域に流入している。 このレポートでは、海外のホットマネーは主に4つのルートを通じて中国に流れて込んでおり、そのうち「非住民関連外貨流入、不動産購入目的の為替送金」が最も注目すべきものであるとしている。 中国人民銀行金融市場司の調査結果によると、上海の不動産購入資金に占める海外流入資金の比率は2003年第1四半期の8.3%から2004年第4四半期の23.2%にはね上がった。 中国人民銀行上海支店の統計データでは、2004年の1~11月期に、上海の不動産市場に流入した資金の総量は222億元を上回り、2003年より13.5%増で、そのうち不動産開発に流れたものは約150億元(通年の不動産開発投資総額の12.8%に相当)、住宅購入に当てられたものは約70億元となっている。 海外資金による北京、上海などの住宅購入は、高級住宅、マンションなどの優良物件に集中しているという。今年1月からの2カ月間に、上海では海外資金によって買い上げられた単価11000元/平方メートル以上の新築商品住宅の面積と金額は前年同期比それぞれ47.6%、73%増となり、単価11000元/平方メートル以上の中古住宅の面積と金額は同2.8倍、3.1倍増となっている。 中国国家外貨管理局が今年の早い時期に、中国は海外のホットマネーの流入に係わる投機問題を注意深く見守っている、という姿勢を示した。一部に見られる海外資金の投機目的による中国国内の住宅購入は、まさにその問題の1つにほかならない。例えば、いくつかの沿岸都市では、外国人個人による住宅購入が数十セットないし百セット近くにのぼり、投機性があることは明らかである、としている。 このレポートはまた、海外のホットマネーの中国不動産市場への流入はこのほかにも3つのルートがあると指摘している。 1、独自の外資系不動産投資会社の設立あるいは国内不動産開発企業への資本参加である。2004年の全国における不動産開発分野の外資導入額は228.2億元で、前年同期比34.2%増となり、開発資金に占める比率は1.3%となっている。 2、間接投資である。つまり不動産開発企業の債券を購入するかあるいは外資系不動産仲介会社が一手に販売する方式で大量の不動産物件を購入して、一般に売り出すことである。 3、外資系銀行による不動産開発企業や個人に対する貸付けである。中国人民銀行は、このレポートの中で、不動産価格の高騰が目につく地域を重点管理地域とし、国内外の住宅投機資金の流れへの監視強化を検討している、としている。 人民元切り上げへの期待から、ここ2年来大量の海外資金が北京、上海などの不動産を購入する方法で中国に流れ込み、人民元の大幅な切り上げで大きな利益を手にすることを狙っている。伝えられるところによると、先月の中国の為替制度改革措置の公表後、海外のホットマネーが虎視眈々としてチャンスをうかがっている。 関係筋は、海外のホットマネーは上海などで不動産ブームを起こし、住宅価格を高くつり上げているが、これは一時的な繁栄に過ぎず、投資環境の改善になんのメリットもないだけでなく、現地の金融機関、企業ひいては住民個人にとっては非常に大きな潜在的リスクとなっており、いざバブルの持続が不可能となると、巨大な損失が発生することになる、と指摘している。 「チャイナネット」2005年8月17日 |