人民日報は23日、李肇星外交部長の署名文書を公表した。李部長はその中で、中国の外交は平和と発展、協力の旗印の下で、国家建設に寄与し、世界平和の維持や共同発展の促進に貢献してきたと述べた。 李部長は中国の平和発展の道を、世界平和を維持しながら自ら発展し、自らの発展によって世界平和を促進する道▽国内発展と対外開放をバランスよく進める道▽平和的な国際競争に加わる勇気を持ちつつ、広範な協力を堅持する道――であるとした。 李部長が述べた中国の主張は以下の4点。 (1)多国間主義を推進し、国際関係の民主化と法制度化を促進、公正かつ合理的な国際秩序の構築を推進する。国際的な多国間システムの中心であり、多国間主義を実行する重要な舞台として、国連は必要かつ合理的な改革を進めるべきである。特に、発展途上国の合理的な要求にできる限り配慮すべきだ。 (2)各国が発展を追求する中で、お互いの利益を実現するよう努めるべきだ。お互いに引きこもらずに胸襟を開き合い、自分の利のために相手に損失を与えるのではなく、公平に競争し、隣国に難題を押しつけるのではなく、お互いに優れた部分で相手を補い合うべきだ。国際社会は対話により、穏便に経済?貿易摩擦を解決すべきであり、何かにつけて制裁や報復措置といった一方的な手段を取ることに反対する。 (3)安全保障において、各国は相互に信頼関係を築き、互恵協力を通じ、地域的?国際的な安全保障を維持するべきだ。中国は、地域的な安全保障協力機構を設立し、安全保障上で共通する脅威と挑戦を解決することを支持する。中国は、いかなる形式であれテロリズムには反対であり、国際協力を通じてテロリズムを取り締まり、テロリズムを根源から抹殺するよう主張する。 (4)中国は、世界の文明の多様性が人類社会が共有する遺産であり、かつ人類が繁栄する貴重な源泉と考える。これを維持するよう努力すべきである。各国の人民が、自国の国情に基づき、自主的に発展の道を選ぶことは、剥奪できない権利であり、必ず尊重されるべきだ。各国は平等な立場に基づき、「文明対話」によって、調和ある世界を共に築くべきである。 李部長はさらに文書の中で、中国と日本は一衣帯水の隣人であり、両国の経済協力は密接、人的な交流も盛んであると重ねて述べた。また、中日関係を重視する立場を表明。近年、両国間に現れた複雑な局面については、「両国が、特に両国の指導者が戦略的に高度かつ長期的な視野に立ち、両国間で締結された3つの政治文書の原則を厳密に守るべきだ。そして歴史を鑑(かがみ)として未来に向かう姿勢を堅持し、交流や協力を強化し、障害を取り除くべきだ。それは、両国の関係が安定し、かつ健全に発展する条件となる」という中国の主張を述べた。 「人民網日本語版」 2005年8月24日 |