中国科学院の持続可能な発展戦略研究グループのリーダー?首席科学者の牛文元氏はこのほど、「中国は約50年の歳月を費やして、世界の中進国の持続可能な発展レベルに到達し、世界全体における持続可能な発展能力ベストテンへの仲間入りを目指している」と述べ、中国の2050年までの約50年間における持続可能な発展目標についての展望を次のように具体的に語った。 ▽2050年までに、国民経済の全体において、科学技術発展の貢献率が70%~75%になるようにすること。 ▽単位GDPのエネルギーと資源の消費で創出する価値を、2005年よりそれぞれ15~20倍高めること。 ▽中国人の平均寿命を85歳に延ばすように努めること。 ▽四大基本指数について、エンゲル係数は平均0.15以下、ジニ係数は平均0.30~0.35、人文発展指数は平均0.9以上、二元構造係数は平均1.5以下になるようにすること。 ▽全人口の1人当たりの教育を受ける年数を7.8年から14年以上に増やすこと。 ▽人口、食糧、エネルギー、資源、生態、環境、社会公平など持続可能な発展を制約するボトルネックを効果的に解消し、国民の安全、食品安全、情報セキュリティ、エネルギー供給の安全および公共の健康の安全、生態環境の安全を確保すること。 ▽2030年をめどに人口の自然増加率をゼロにするとともに、人口の質の向上に力を入れ。人口構造を改善すること。 ▽2040年までに、エネルギーと資源の消費の増加率をゼロにするとともに、社会の資産価値創出能力の向上に全力を上げること。 ▽2050年までに生態環境の劣化を完全に食い止めると同時に、生態環境の質を高め、人々の生存空間を全面的に改善し、中国全体が持続可能な循環型社会に入るようにすること……などである。 牛文元氏はまた、世界の共通認識として、持続可能な発展戦略の実施において、いかなる国も必ず「3つのゼロ成長」を実現しなければならないと強調している。 1、 人口のゼロ成長、すなわち出産率と死亡率の基本的均衡であり、中国においてこの目標を達成する道のりは依然長い。 2、 人口総数の基本的均衡が実現してこそ資源、エネルギー消費のゼロ成長が達成でき、そして節約型社会を作り上げ、新型工業化の軌道に乗ってこそ初めて資源、エネルギー消費のゼロ成長の実現が可能となる。 3、 生態環境の劣化のスピードがゼロになること。 「チャイナネット」2005年9月15日 |