武漢市出身の魯さん(23)は、上海のある外資系企業に勤めている。7年前にインターネットとの初めての出会いを振り返って、「インターネットはまるで私の生活に新たなページを開いてくれた」と当時の感動を語り、インターネットはすでに生活の中で欠かせないツールとなり、インターネットなしの生活は想像しがたいと語った。 魯さんは、この10年間に中国で現れた、勉強?ショッピング?娯楽などをネットを通じて行うネチズンの一人である。中国インターネット情報センターが今年7月に発表したデータによると、中国のネチズンの数はすでに1億300万人にのぼっており、つまり、13人に1人はネチズンという割合である。また、5つの都市で行ったサンプリング調査では、中国のネチズンたちのインターネット接続時間は平均毎日2.73時間で、ニュース閲覧、メールのやり取り、ゲーム遊び、資料の収集、チャットなどが主な目的であることがわかった。 中国インターネット情報センターの毛偉主任は、「1億300万」という数字は、中国のネチズンがここ7年間に100倍も増えたという一里塚としての意味合いをもっていると語った。また、今年の6月30日までに、中国のインターネットに接続しているコンピュータは560万台に達し、昨年同期より25.6%増えた。 インターネット産業の急速な発展をサポートしてきた原動力というと、まず政府の役割をあげなければならない。1994年4月20日、国際インターネットへの接続が全面的に始まった。中国政府は90年代の末ごろから、各クラスの政府がネットに接続できるようにするため、「情報高速道路」のプロジェクトを実施し、青海?チベット高原のような僻地まで、政府のネット接続が可能となった。 もう一つの原動力は、ビジネス面でのインターネットの応用である。1994年から1996年までに、インフラ整備とともに、IT企業やポータルサイトも雨後のタケノコのように次々と現れた。中国のネットビジネスは、草創期にはネットバブルが生じたこともあるが、今では、望ましい方向へと右肩上がりの着実な成長が見られる。2004年における中国のインターネット応用のマーケット規模は113億元に達した。 インターネットは、人々の生活をさらにバラエティに富むものにした。北京のネチズンの李さんは、オンラインショッピングはかなりの時間節約となったとインターネットの利便性について語った。インターネットは、社会の進歩を促す面でもますます重要な役割を果たすようになっている。2004年4月19日に中国インターネット協会の胡啓恒理事長は、中国インターネット10周年祝典の席で、インターネットは「中国の人々にさまざまなチャンスと変化をもたらしてきた」と語った。 今年の7月25日に浙江省で行われた省人民代表大会常務委員会会議のオンライン中継は10万余りのネチズンの目を引き付けた。このクラスの会議がオンライン公開されるのは初めてのことらしい。 インターネットを行政と結びつける試みをしたのは、浙江省だけではない。2003年に北京市人民政府はネットで政府についてのアンケート調査をスタートさせ、ここ2年来、14万人以上のネチズンが政府機関の事務処理の効率、透明度、法律?法規の執行レベルについて採点投票した。 中国国務院の温家宝総理は今年の3月に、、全国人民代表大会の記者会見を控え、中国のニュースサイトの「新華ネット」にアクセスし、ネチズンたちが提出した何百もの質問を閲覧した。中国社会科学院新聞研究所ニューメディア専門の学者である閔大洪氏はその文章の中で、「インターネットの発展は経済活動モデルの変化をもたらしているだけではなく、公共分野に対する人々の考え方をも変えることになっている」と述べている。 中国の人々の個性化にも、インターネットはある程度促進的役割を果たしてきた。最も顕著な例をあげると、2002年以降のブログの勃興であろう。中国最大のブログ専門サイト「ブログネット」の総裁、方興東氏は取材に対して、ブログは、ネチズンたちを「受動的な受信者」から「主動的な発信者」へと変身させ、わずか2年間で、ブログネットの登録ユーザーは220万を数えるに至ったと語っている。 「チャイナネット」2005年10月10日 |