中国の前衛芸術家、劉小東さんの創作した油絵「三峡地域からの新移住者」はこのほど、北京保利2006年秋季オークションにおいて、2200万元の高値で落札され、中国近代芸術品オークションの最高値を記録した。 「三峡地域からの新移住者」はタテ3メートル、ヨコ10メートルで、工事が進んでいる長江三峡ダム、立ち退きを目の前にした村々、さまざまな心境にある移住者たちの姿などを描いたもの。マスコミは、「ささやかなところから、歴史の一コマを記録したもの」と評価している。 三峡ダムの建設で、百万人ぐらいの人たちが故郷を後して他の移住地に向かった。劉小東さんは、これらの「三峡からの移住者」たちに目を向け、2003年に、「三峡からの大移住行動」という作品が大ヒットとなった。一年後、彼は再び三峡地域を訪れ、この「三峡地域からの新移住者」を描き上げた。 保利オークション会社の専門筋は、「三峡地域からの新移住者」が目玉が飛び出すような値段で落札された訳について、「劉小東さんは中国の新しい世代の画家の代表格であり、この作品のテーマも歴史的な意義があるからだろう」と語っている。 今年に入ってから、中国の近代芸術品は国際オークション市場で価格が急騰している。陳丹青さんの「街角の劇場」はニューヨークで147万2000ドルで落札され、張暁剛さんの「大家族シリーズ150番」も香港のササビーズオークションで926万8000香港ドルで落札された。また、方力鈞、曽梵志などの芸術家の作品も数十万ドルの高値で買い取られた。 2006年上半期における中国の近代芸術品オークションの落札総額はすでに約10億元にのぼるともいわれている。 「チャイナネット」2006年11月24日 |