「人民日報」第10版は6日、商務部の姜増偉?副部長(国家知的財産権保護作業グループ弁公室主任)の文章を掲載し、中国の知的財産権保護体系の整備に関する作業を紹介した。 ▽ 姜副部長は近年採択した知的財産権保護のための措置について次のように紹介した。 国務院はここ数年、知的財産権保護を市場経済の秩序を整備し規範化するための重点作業としている。2004年には国家知的財産権保護作業グループを設立し、全国の知的財産権保護作業を統一して指導している。2004年8月からは、2年を期間とする「知的財産権の保護のための特別行動」が実施された。これは商標権、特許権、著作権を重点分野とし、商品小売市場、輸出入貿易、各種展示会、OEM生産加工などの製品に重点を置き、北京、上海、広東などの15の省?市を重点地域として、知的財産権を侵害する各種の違法犯罪行為を厳しく調査、取り締まるもの。対外宣伝と国内教育に力を入れ、国際交流と協力を推進し、中国の知的財産権保護の作業を新たな段階に押し上げた。世界知的所有権機関(WIPO)のカミール?イドリス事務局長は「出版権の保護、知的財産権をめぐる法律の執行、知的財産権の教育と国民意識の向上などの分野において、中国は大きな成果を上げており、これは国際社会が認めるところだ」と述べた。 ▽中国は知的財産権保護の分野で大きな成果を収めているが、以下のような問題もある。 ?多くの地域や分野においては依然として知的財産権侵害行為が見られ、深刻なところもある。 ?企業の多くは知的財産権を創造し保護するという意識?能力が弱い。 ?知的財産権の意識が薄く、一部の地方の指導幹部と法執行員は侵害行為の損害について正しい認識が足りない者もおり、知的財産権の保護は地方保護主義に妨害されている。 ?法執行体制が不完全で、部門ごとの機能が分割され、監督管理が交差したり空白状態が存在する。 ?法執行部門の経費が不足し、法執行手段が立ち遅れている。 ?知的財産権の一部の法律規定は原則的で、操作性が弱い。 ?知的財産権保護の訴えから訴訟までの時間が長く、証拠を示すことが難しい上に賠償金金額が低く、所有者が積極的に権利を訴えるのに不利となっている。 これらの問題は中国が知的財産権保護において直面している主要な矛盾となっている。 ▽国際規則に対応し、中国の国情に合った知的財産権保護制度を構築するための最も重要な任務は、「承諾事項を履行し、国情に適し、制度を整備し、積極的に保護する」という作業方針に基き、知的財産権の保護体系を構築することだと姜副部長は強調する。国務院が公布した「知的財産権保護行動概要」はこれに対し明確な要求を出しており、今年と来年の2年間で知的財産権保護体系を構築し、以下の作業に力を入れていく。 (1)法律法規をさらに整備し、法律によって知的財産権を保護していく。国際社会においてもその役割を発揮させ、国際的な知的財産権保護の規則制定において発言権を強める。遺伝資源、伝統知識、民間文学や芸術など中国的特長を備えた分野における知的財産権の保護を強化する。 (2)法執行を強化し、重点分野と重点部分に対して特別行動を展開する。各級政府に正規版ソフトを使用させる取組みを引続き推進し、企業が正規版ソフトを使用することを積極的に呼びかける。商標権侵害などの各種行為を引続き取り締まり、商品交易市場とOEM生産加工を重点的に整備し規範化する。食品?薬品分野、農業分野、ハイテク分野に対する特許権保護に力を入れ、税関における知的財産権の保護を強化する。 (3)サービスレベルを向上させ、とくに知的財産権所有者へのサービスを強化する。国家知的財産権保護作業グループ弁公室と商務部は総合的な知的財産権苦情受付サービスセンターを設立しており、知的財産権侵害に関する苦情?訴えを受け付け、権利者の権利保護のために便宜を図り、関連部門のために事件の出所を開拓し、一般大衆に情報提供のサービスを行う。同センターはすでに50の主要都市で設立され、サービスが開始されており、全国統一の電話番号「12312」で受け付けている。 (4)宣伝教育と研修に力を入れ、知的財産権を保護するという雰囲気を作り出す。 「人民網日本語版」2006年11月7日 |