「東方の彫塑陳列舘」と呼ばれる甘粛省天水市の麦積山石窟を保護するため、麦積山石窟芸術研究所と日本築波大学が合同ですすめる「麦積山石窟協力調査と保護計画」が11月初旬に実施し始まった。

麦積山石窟芸術研究所の魏文斌副所長は、両国の研究者たちが現在、麦積山洞窟の損傷状況について調査し、洞窟内部の環境モニタリングを行っており、次の段階では、石窟の周辺環境及び景観に対し詳しい調査を行うことになっている、と語った。

双方の協力取り決めによると、今回の調査?保護事業は2年間かかる予定であり、調査が終わった後、双方は石窟の環境?景観及び文化財の保護のための科学的かつ詳細なデータからなる調査レポートを提出し、代表的な洞窟を選択して実質的保護作業を行うことになっている。

麦積山石窟は甘粛省天水市の南東から35キロ離れたところにある秦嶺山脈のエリアにあり、仏教と関連のある洞窟194ヵ所、泥塑7200体、壁画1300平方メートル余りが保存されており、すべての洞窟は断崖絶壁に掘削されている。その掘削は後秦(384～417)の頃から始まったと多くの学者たちは見ており、北魏、西魏、北周、隋、唐、五代、宋、元、明、清の頃にも、掘削や修繕作業が絶えず行われ、現在保存されている彫塑の中では、北朝のものが多いといわれている。

「チャイナネット」2006年11月16日