昨年11月に第5回協議?第1段階会議を開催して以降、対話による朝鮮半島の非核化実現を目指す6カ国協議は、中断状態に置かれてきた。現在、関係各国は協議再開に向けた外交努力を行っている。人々は、この前向きな流れが対話プロセスを進め、新たな転機がもたらされるよう期待している。(復旦大学国際問題研究院常務副院長、沈丁立教授) 過去1年間で、朝鮮半島核問題をめぐり一連の重大な変化があった。米国が対朝金融制裁を実施したのに続き、朝鮮は新たなミサイル発射実験、さらには核実験まで実施した。米日両国内の政界にも、比較的大きな調整があった。 再開が見込まれる6カ国協議を前に、2つの最重要当事国の心境は以前とは大きく異なる。朝鮮は協議再開への前提条件を放棄しており、金融制裁の先行解除を再び米国に要求し続けることはない。同時に、朝鮮は自国を核保有国と見なし、協議における値段をつり上げた。 米国も気楽な立場ではない。朝鮮が核実験を実施した後、ワシントンは政策の再考と調整を余儀なくされ、6カ国協議の力を借りて朝鮮に核放棄を促す切実性が増した。近年来、米国は対朝政策目標の優先順位の調整において、核放棄が最高目標であると確認できず、朝鮮側の懸念を効果的に解くすべを持たずにきた。 核放棄の説得を成功させるには、朝鮮の正当な安全保障上の懸念を考慮しなければならない。このため、対朝政策を再考し、たとえ核を放棄しても朝鮮の安全保障が弱体化されない全体的プランを示すことが、6カ国協議の再開前に米国が検討しなければならない現実的な課題となっている。 6カ国協議の実際の成果と人々の期待に、ここ数年来一定の距離があった最大の原因は、半世紀余りの対峙がもたらした朝米間の相互信頼の欠乏と、肝心な問題でも互いに譲歩しなかったことにある。時間が引き延ばされるにつれ、朝鮮半島核問題の解決に向けた、プラスの要素とマイナスの要素は共に増加する。 6カ国協議の議長国として、中国は対話を通じた朝鮮半島の非核化実現を訴え、6カ国協議の推進に多大な努力を払ってきた。人々は関係各国が実際の行動を起こし、6カ国協議の再開と前進のため、プラスの環境を醸成することを望んでいる。柔軟で実務的な姿勢を取り、向き合って進みさえすれば、朝鮮半島非核化の目標は早期に実現する可能性がある。 「人民網日本語版」2006年11月29日 |