チベット自治区人民政府新聞弁公室は13日に記者会見を開き、青海?チベット鉄道の開通から2カ月間に読者の関心が高かった4つの問題について回答した。

（１）鉄道の乗車券とポタラ宮の入場券が入手困難な理由

▽ラサ駅の王新文駅長

青海?チベット鉄道の開通は、ちょうどチベット観光のベストシーズンと夏期の繁忙期のピークに重なったため、乗車券は飛ぶように売れ、発行数が追いつかなかった。特に西寧?ラサの両駅では乗車券不足が深刻だった。両駅では現在、旅行会社向け団体乗車券の取扱いを見合わせている。窓口を増やして全乗車券を駅の一般窓口で発売し、多くの旅行者が窓口で乗車券を購入できるようにしている。

すでにピークは過ぎたので、翌日の乗車券ならほとんど購入が可能だ。駅側は現在、間もなく訪れる国慶節（建国記念日）連休のピークに向けて全力で準備を進めているところだ。

▽チベット自治区観光局の扎洛副局長

ポタラ宮は7世紀の土と木材の建造物で長い年月が経っているうえ、修理中のため、受け入れ能力に限界がある。この世界文化遺産を守るため、自治区は専門家の測定に基づいて、1日あたりの入場者数を2300人に制限し、1600枚の団体入場券を確保している。ちなみに青海?チベット鉄道の開通前は、1500人に制限していた。チベットへの観光客が大幅に増えたため、需給ギャップが見られるようになった。

（２）列車の運行は安全なのか

▽ラサ駅の王新文駅長

2カ月余りで大きな事故は発生しておらず、青海?チベット鉄道によるチベット―青海往復の安全性は信頼できる。これまでに食堂車の脱線事故が1回だけ起きた。8月29日午後1時に、重慶発ラサ行きのT223列車が那曲（ナチュ）地方の錯那（ツォナ）湖駅に到着した際、信号と踏切の故障により、食堂車が脱線した。青海?チベット鉄道公司は緊急マニュアルに従って、救援チームをただちに派遣し、午後6時までに正常復旧した。死傷者は出なかった。

運行に遅れを生じた事故がもう1件ある。ラサの雪頓節（ショトゥン祭）の8月23日、朝からの大雨により、駅へ向かう道路で数件の交通事故が立て続けに発生した。その上、タンカ（チベット仏画）参観のため寺院へ向かう人々で道路が渋滞したため、T224?K198の両列車に乗車予定だった乗客の7割にあたる約1千人が現場に足止めされ、駅に着けなかった。このため鉄道部の同意を得て、両列車の発車時刻を各40分遅らせた。

（３）乗客の生命の安全は保証できるのか。開通以来の2カ月余りで、すでに乗客の死亡事故が多数発生しているとのうわさがあるが。

▽チベット自治区観光局の扎洛副局長

青海?チベット鉄道での乗客死亡事故は、これまでに1件しか起きていない。この乗客は77歳の香港市民で、夫人と共に団体旅行でチベットを訪れた。男性は7月28日、列車がラサに入ってから具合が悪くなり、風邪による肺水腫と診断され、同29日から31日までチベット軍区総病院に入院した。同31日午後、男性は体調が回復しないまま退院を強く要求し、8月1日午前に旅行団と共にラサ発西寧行きN918列車に乗車した。午後1時32分、列車が那曲（ナチュ）駅を発った後で、乗客は深刻な高山病の症状を示した。安多（アムド）駅に到着し、ただちに病院に搬送されたが、緊急治療の甲斐なく、午後3時55分に死亡した。死因は高山病による心臓疾患だった。

チベットに旅行する前に、高原での禁止事項を理解し、医師の提案に従い、自分の健康状態に正しく対処していただきたい。特に高原の自然環境と気候を十分に認識、準備し、またチベット旅行にともなう健康についての知識を持っていただきたい。

（4）各種ホテルの宿泊費は安定しているのか。ラサ市内のホテル宿泊費が急騰しているとの話があるが。

▽チベット自治区発展改革委員会の金世洵主任

わたしはみなさんに、自治区は各種ホテルの宿泊費に十分関心を払っていると責任をもって言える。7月と8月の両月、ラサ市および各地のホテル宿泊費に明らかな上昇は見られなかった。

現在チベットには一定水準以上のホテルが71軒、その他各種の宿泊施設が535軒あり、合計で客室が1万6852室、ベッドが3万9144人分ある。7月に観光ピークに入ってからの客室稼働率は平均87％前後で、ほぼ需給バランスが取れている。宿泊費の変動は正常の範囲内に抑えられ、大幅な変動はなく、ましてや宿泊費の暴騰といった問題は見られない。現在、各地で新たなホテルが建設されており、来年はより良い施設とサービスを提供できるだろう。

「人民網日本語版」2006年9月14日