吉林大学古生物学地層学研究センターによると、中外科学者が共同研究している「黒竜江流域の白亜紀生物群K/T境界層研究」は、現在「CMレベル」の高精度研究段階に入っており、これによって中国国内における6500万年前の生物の絶滅、復活を証明する地質記録が明らかになる模様で、黒竜江地区の陸相K/T境界層の最終確定に大きな役割を果たすことになる。 K/T境界層とは、今から6500万年前の中生代と新生代の交代期である白亜紀(K)と新生代第三紀(T)間の地層境界層を指す。白亜紀は恐竜を代表とする陸生動物とアンモナイトを代表とする海生動物の空前の発展時期であったが、これらの生物は白亜紀末期には急速に消滅し、それに代わって哺乳動物と被子植物が大発展している。この全地球規模の生物と地層事件は一貫して国際地学界の関心の的である。 現在、世界の陸相K/T境界層は北米でやや正確に確定しているだけであり、わが国では2002年に科学者が黒竜江流域で陸相K/T境界層の手掛かりを発見したばかりである。この4年間、わが国の著名な古生物学者である吉林大学の孫革教授が率いる中外科学者によって、古生物学、地球化学などの総合的研究活動が展開され、初めて黒竜江嘉蔭沿江地区の白亜紀末期生物地層の序列が系統的に確立され、白亜紀末期の二大植物化石の組合せと五つの胞子化石の組合せが新たに確定されて、白亜紀末期から早期新生代第三紀の生物群及び地層の対比研究が行なわれた。同時に、科学者達は黒竜江地区K/T境界層付近の生物、地質事件を詳細に研究し、該地区における恐竜絶滅の原因に関する新観点を提出し、全地球レベルのK/T境界層における重大な生物の進展変化の模索に新たな資料を提供している。 現在、同陸相K/T境界層の研究は黒竜江嘉蔭県烏雲鎮付近の小河沿地区に集中している。野外ボーリング検証と室内分析により、同テーマグループはK/T境界層付近で典型的な白亜紀最晩期及び第三紀最早期の生物化石の組合せを発見しており、研究は「CMレベル」精度の最終段階に入っている。 「チャイナネット」2006/07/19 |