「運命の人」を求めて、若者はあちこち奔走する。しかし、本当は「灯台下暗し」で、理想の恋人はすぐ近くにいるのかもしれない――。 新華社によると、北京市で働く独身ホワイトカラーの間では最近、恋人探しのターゲットが「市内の人」から「同じオフィスビルの人」に変わりつつある。これまで遠くに向けていた視線を、身近な範囲内に移し、同じオフィスビルの中でパートナーを探すケースも増えた。 北京の有名なオフィスビル「豊聯広場」ではこのほど、ビル内に勤務するホワイトカラーの独身男女を対象に、お見合いイベントが開催された。会場となった大ホールはユリの花を手に集まった「美男美女」らで埋め尽くされ、花の甘い香りで満たされた。若者らの多くが、コカコーラ、デルコンピューターなど有名企業の職員だ。意中の相手がいればユリの花を交換し、メールや携帯電話の連絡先を教えあう。 こうしたイベントは、尚都国際センター、左岸公社、建威ビル、静安センターなど、市内最高ランクのオフィスビルで次々に開催されている。主催者は中国最大の結婚恋愛コンサルタントウェブサイトで、参加した男女は5万人に上ったという。インターネットを活用した大規模なお見合いイベントとしては初の試みで、ターゲットを同じオフィスビル内に絞り、生活条件や年齢など条件的に「似たもの同士」のカップル成立を想定した。 豊聯広場で働く李顔さんは、「毎日朝早くから夜遅くまで働いているので、同僚以外の人を知る機会があまりに少ない。恋愛はしたいが、機会が本当に少ない」と嘆く。恋愛や結婚の相手探しは、オフィスビルで働く独身ホワイトカラーにとって、大きな悩みとなっている。 「中国青年報」社会調査センターは今年4月、ホワイトカラーの若者を対象に、配偶者探しの方法についてアンケートを行った。結果によると、いまだ独身である理由として、58.6%の人が「出会いが少なすぎる」ことを挙げている。一方、ネットを通じた交流が盛んになり、幅広い付き合いの場が得られたという見方もあった。 「人民網日本語版」2006年7月4日 |