科学的発展観に導かれて、中国経済は今、より順調で迅速な発展の軌道を進んでいる。国民経済は5年連続で高度成長を実現し、国内総生産(GDP)は21兆元を超えて世界4位になった。財政収入の増加、企業利益の増加、農業生産の増加、都市部住民の収入増加が足並みをそろえ、発展の質がさらに高まった。三峡ダムの完成、青蔵(青海?チベット)鉄道の開通、南方の水を北方に引く「南水北調」プロジェクトの着工などにより、経済の骨組みが強化された。また重症急性呼吸器症候群(SARS-)の制圧、社会建設の強化、生態環境の改善、生活レベルの向上などにより、「小康社会」(ややゆとりある社会)の全面的実現に向かいつつある。 過去5年間でのさまざまな成果は、その実現までの道のりが決して平坦ではなかった。アジア金融危機のダメージから脱し、5年続いたインフレの脅威から逃れるやいなや、SARSが発生し、SARSが制圧され、経済が再び急成長の勢いを取り戻すと、一部業界で投資の過熱現象が起こり、石炭?電力?石油?輸送の供給不足が発生した。マクロ調整によりボトルネックとなっている石炭?電力?石油?輸送の問題を解決すると、今度は投資の行き過ぎた増加、過剰な資金貸付、貿易黒字の増大といった問題が目立つようになった。このように起伏に富んだ過去5年間に、中国共産党中央は情勢をはかり、発展の指導に向けた新たな戦略的思想「科学的発展観」を提起し、中国経済が困難を乗り越え、新たな奇跡を創造するよう指導した。特に今年に入ってからは、一連の政策措置をタイミングよく打ち出し、3つの過剰(貿易黒字、銀行の資金貸付、固定資産投資)を緩和し、汚染物質排出量と資源消費量の高い「両高企業」を抑制し、農業を支援し、国民生活を改善するなどして、国民経済がより順調で迅速な発展軌道を進むよう後押ししている。 マクロ調整により、過剰な貿易黒字、銀行の過剰な資金貸付、過剰な固定資産投資という3つの過剰が緩和された。経済成長が急成長から過熱へと転じることを防ぐため、今年のマクロ調整では一連の対策措置が打ち出された。中央銀行の手形発行、銀行の預金準備率の引き上げ、預金?貸付金利の引き上げといった金融政策が相次ぎ打ち出された。現在その初歩的な効果が現れており、構造調整には積極的な変化がみえてきた。今年上半期、投資の伸びが高止まりし、社会全体の固定資産投資は前年同期比25.9%増加し、増加幅は前年同期を3.9ポイント下回った。投資の伸びが消費の伸びを上回ったがその幅は縮小し、投資と消費との関係が基本的に解決され、経済成長に対する投資の貢献度が高まった。遅れた生産設備などの淘汰が進み、上半期に閉鎖された小規模火力発電所の発電容量は計551万キロワットに及び、セメント業界では生産量約500万トンの遅れた生産設備が淘汰され、小型炭鉱2811カ所が閉鎖された。輸出の伸びが鈍化し始めた一方、輸入の伸びが緩やかに上昇した。8月の貿易黒字は前年同月比32.8%増加したが、増加率は1~7月を48.1ポイント下回った。 「両高企業」をしっかりと管理し、抑制した。年初以来、各地区?部門は省エネ?汚染物質排出削減に向けた中央政府の作業計画を真剣に履行し、高エネルギー消費?高汚染業界の急成長傾向を効果的に抑制し、一定の成果を上げた。土地管理と資金貸付という2つの関門を厳格に管理し、市場参入基準を引き上げることで、エネルギー消費量の多い新規着工プロジェクトを厳格に抑制した。高エネルギー消費?高汚染製品の輸出を制限する各種の政策を急ぎ実施した。電力価格の差別化政策を全面的に実施し、高エネルギー消費製品については独自に設定された電力価格水準を引き上げ、高エネルギー消費?高汚染業界への優遇政策を撤廃?調整した。今年上半期、単位国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費率は前年同期比2.78%低下し、一定規模以上の工業企業(国有企業または年売上高500万元以上の非国有企業)の生産額当たりのエネルギー消費率は同3.87%低下した。 農業を支援し、基礎をうち固めた。年初以来、政府が農業支援?優遇政策への取り組みを前年に続いて強化し、農村のインフラ投資を増加し、穀物?化学肥料?飼料価格の安定に努めたため、農業生産は安定的に発展した。今年は大きな自然災害が度々発生したが、夏季収穫の穀物は1985年以来の4年連続での豊作を実現し、秋季収穫の穀物の作柄もよい。社会主義新農村建設の基礎固めが安定的に進められ、農村の義務教育や医療保障が強化され、農民の生活環境の改善が重視されるようになった。6月末現在、全国31省?自治区?直轄市で農村の最低生活保障制度が基本的に構築され、対象者は2068万人に達した。農民の現金収入の伸びの加速も注目される。上半期の農民の一人当たり現金収入は2111元で前年同期比13.3%増加し、1995年以来最高の増加率となった。 国民生活が改善され、経済成長の成果が共有されるようになった。年初以来、政府はマクロ調整の強化?改善と人々が最も関心を寄せ、人々の利益に最も直接的に関わる最も現実的な問題の解決とを有機的に結びつける方針を堅持。経済の安定的かつ急速な発展を推進すると同時に、国民生活の改善に絶えず努めた。国民は教育、雇用、医療、住宅、最低生活保障、労働者の権利、安全な生産などの各方面で、実際に多くの恩恵を受けた。上半期、都市部では一人当たりの収入が前年同期比14.2%増加し、新たに629万人が職に就いた。 「人民網日本語版」2007年9月18日 |