「紫禁城を見学した外国の人たちは、「故宮博物院は一体にどこにあるの?」とか、「紫禁城の市長さんは誰ですか」とかの質問をすることがある」と、故宮博物院の対外交流担当の段勇処長は記者に、これまでの行き届かない対外広報が原因のいくつかの笑い話を語ってくれた。ところが、今では、こうした状況も改善されつつあり、故宮は外国の著名博物館との交流を盛んに行っている。2005年10月、フランスのルーヴル美術館は故宮博物院と長期協力の取り決めを結び、ルーヴル美術館が2008年に故宮で「ナポレオン一世展」を催すことになった。2006年4月、ロシアのエルミタージュ美術館は故宮の2番目の国際協力博物館となり、協力の中心となるのは「皇室文化展」の相互開催である。また、イギリスの大英博物館もこのほど、故宮と5年間の協力意向書に調印した。 古時計の専門家の相互訪問も、故宮と大英博物館の協力事業の成果の一つ。段処長は、故宮に保存されている西洋製の古時計の半分以上は、イギリス製で、イギリスの専門家たちは自国の時計の歴史や機械原理、修復技術に精通しており、われわれにとっては学ぶべきものがかなりあると語っている。昨年7月、大英博物館は二人の専門家を派遣し、故宮に収蔵されている古時計を見てまわり、今年10月には、故宮の二人の専門家が修復技術の交流のために大英博物館に赴くことになっている。 また、故宮の書?絵画作品の専門家が今年10月に大英博物館に赴き、大英博物館に収蔵されている中国の書や絵画作品の目録の作成に協力することになっている。大英博物館では、「女史箴図」を含む数多くの中国の書や絵画作品が収蔵されているが、この分野における研究力が脆弱であるため、中国の専門家の協力を必要としている。 国外の著名な博物館との協力のほか、故宮は展示会、シンポジウムなどの形で、積極的に海外に向けてPR活動を行っている。2005年において、故宮は海外で展示会を10回催し、そのうち、イギリスで行われた「盛世華章展」は、新中国建国以来、展示品の数量がもっとも多く、グレードが最も高い故宮の海外展示会となっている。また、昨年、イギリスの大英博物館、日本の東京国立博物館などの5大博物館の館長が故宮で「現在博物館が直面しているチャンスと挑戦」をめぐって対話を行い、広く関心を呼んだ。 「チャイナネット」2006年7月14日 |