21世紀に入り、中国はエネルギーに関して、▽需要拡大▽液体燃料不足▽深刻な環境汚染▽温室効果ガスの排出▽農村のエネルギー消費量の増加――といった5つの大きな試練に直面しており、エネルギー利用構造の早急な調整と、完全で全面的かつ具体的なエネルギー戦略の構築が求められている。中国工程院会員の倪維斗氏が、呼和浩特(フフホト)で行われた「内蒙古経済発展フォーラム」で指摘した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。 エネルギーを大量に消費する重化学工業の発展段階は容易に越えられない。中国は年間1億7千万トンの石油を生産しているが、自動車の激増により、昨年は1億2千万トンの石油が不足した。2010年には不足量は2億5千万トンに達すると予測される。 中国のエネルギーは70%が石炭の直接燃焼による。二酸化硫黄や一酸化炭素といった有害ガスが発生し、大気を汚染することは避けられない。1990年代以降、二酸化炭素の排出量も年々増加し、年間で少なくとも30億トン前後に達している。 通常、都市部では1人あたり、農村の3.5倍のエネルギーを消費する。2020年までに中国の都市化率は55~60%に達すると見られる。つまり、これまでエネルギー消費量の少なかった農村でも、エネルギー消費量が拡大するのだ。 現在、中国のエネルギーには、変えることのできない2つの大きな事実がある。1つは、石炭や石油といった従来型のエネルギーへの依存性の高さ、もう1つは、リサイクルエネルギーでは2020年までに主要問題を解決することはできないということだ。 これらの状況を考えると、中国は石炭を1次エネルギーの中心とする現状をふまえ、資源?エネルギー?環境を統合した持続可能な発展を実現し、石炭ガス化を軸とするポリジェネレーションシステムを構築し、整ったエネルギー戦略を打ち立てるべきだ。 「人民網日本語版」2006年8月21日 |