第1回「中国貧困地区持続可能な発展戦略フォーラム」が13日と14日に開かれ、専門家からは「過去20年間の貧困対策は貧困層を大幅に減少させたものの、貧困対策は現在もなお極めて困難であるばかりか、次第に困難さを増している」との指摘が上がった。新華社のウェブサイト「新華網」が報じた。 中国扶貧開発協会の田瑞璋副会長は、農村部に貧困ラインの貧困層が2300万人余り、衣食に足りるぎりぎりの層が5千万人、さらに都市にも2800万人の貧困層がいるとして、中国全体でなお1億人が貧困からの脱却を待っていると指摘した。 さらに田副会長は「国連と世界銀行による1日1ドルの貧困ラインに従えば、中国の貧困層は2億人を突破するかも知れない。貧困扶助の任務は次第に軽くなるのではなく、重くなる一方だ。重要な原因の1つは、貧困扶助が次第に困難さを増していることだ」と指摘。その背景として、農村部の貧困層2300万人が、主に自然条件や生態環境が劣悪な地域に居住しており、個人の能力や素質も低いこと、都市と農村、東部と西部、貧困と富裕など地域格差が加速度的に拡大していることを挙げた。 北京大学?貧困地区発展研究院の厲以寧院長は、長年の実践により証明された事実として「貧困地区であるほど、自然条件が劣るため、目先の利益だけを考えて環境や資源の保護をないがしろにする傾向がある。こうして、貧困地区の現状が改善されないばかりか、必然的に環境の悪化と資源開発の行き過ぎを招き、結果として現地農民はますます貧困に陥る。低所得が環境と資源の破壊を招き、さらに所得が下がるという悪循環が形成されている」と指摘した。 フォーラムに出席した専門家は「中国が貧困を根本的に撲滅するためには、科学的発展観を確立し、短期的利益と長期的利益を統合的に計画し、経済的効果?社会的効果?環境的効果の関係を正しく処理し、相互促進的な良性循環を実現し、貧困地区の経済?社会?資源?環境の持続可能な発展を実現する必要がある」との認識を示した。 「人民網日本語版」2006年5月16日 |