中国船舶工業グループ(中船グループ)と宝鋼グループはこのほど北京で、江南長興造船基地における民用船舶製造プロジェクトの合弁契約に調印した。双方は計100億ドルを超える出資を行い、同基地の第1号?第2号生産ラインを建設する。出資比率は中船グループが65%、宝鋼グループが35%となっている。 江南長興造船基地は、2005年6月3日に正式に建設工事を開始した。現在国内で最大規模で、最新の造船基地となっている。 「上海万博がなければ、江南造船所は同造船所創業いらい140年余りの重い歴史の重荷をおろし、一躍急速な発展期を迎えることはできなかったであろう」。63歳の中船グループの前身である江南造船所の元理事長の陳金海氏は感慨深げにこう語った。 中船グループの陳小津社長は、長興造船基地の建設は中国が世界一の造船強国になる上での重要な基盤が打ち固められることになるという見方を示した。 上海万博執行委員会専任副主任の鍾燕群氏は、「上海万博そのものは商品交易会ではない。しかし、巨大なシステムエンジニアリングのプロジェクトとして、現在の世界各国の科学技術成果、先進的な理念を集中的に提示する舞台として、上海万博の準備と開催は、経済、科学技術の飛躍的な発展および社会文明の進歩を促す上で、大きな推進力となる」、と語っている。氏はまた、万博会場内あるいは万博会場以外においても、目に見える形あるいは目に見えない形の波及効果は上海ひいては中国全土に現れているとている。 上海万博の準備は政府主導の下で、市場化運営の方式が取られている。計画では、上海万博の組織者は昨年と今年の2年間に、10~15社の世界のパートナー、15~20社のハイクラスのスポンサー誘致に関する交渉を行うことになっており、パーク建設、情報化、金融サービス、一般消費財、パークの商業サービスおよび交通?物流、電子?電気、石油化学工業など数多くの分野に及んでいる。そのほか、上海万博の組織者は近く14種類の展示サービス?プロバイダーを募集することを考えており、上海万博マスコットの募集?公表とあわせて、今年末には博覧会ロゴのフランチャイズ経営計画を始動させることになっている。これらはいずれも国内外の企業による中国市場の開拓、国際イメージ向上の良いチャンスとなる。 現在、上海万博の組織者はすでに中国東方航空、チャイナモバイル、チャイナテレコム、交通銀行、上海自動車およびゼネラル?モーターズなど世界の著名企業5社と世界パートナー関係を結んでいる。これらのパートナーは上海万博の準備期間に、サポーター、参加者、普及者、テーマの実践者の役を引き受けるだけでなく、今後企業館などの建設に参与し、上海万博で人々の注目を集める展示業者となる。 科学技術革新分野で、2005年2月、科学技術部と上海市政府が協力しあい、国務院のその他の部?委員会と共同で、上海万博の科学技術行動計画指導グループを設立し、全国の科学技術界が上海万博をサポートする構図が形成されている。 エネルギー分野において、上海万博は省エネ、エネルギー利用量の削減にプラスとなる太陽光エネルギーや半導体照明技術を開発?応用し、照明技術革新の加速化を図ると同時に、水素燃料など新エネルギー使用自動車の大規模な利用を促し、情報化分野、ハンドヘルドモバイル端末の情報サービス?プラットフォーム、チップ製造技術主導の電子ラベルなどの新型サービスが広く応用されることになる。 上海万博開催期間の一日の入場者数は40万人を上回ると予想され、毎日の食品、飲料の輸送量は1000トン以上で、ゴミ180トンが出される。そのため、固体廃棄物管理と資源の循環利用は科学技術革新の重点の1つとなる。そのほか、上海万博の科学技術革新の重要分野にはまた、都市生態環境の整備、水の安全の保障、地下空間の開発?利用、新材料の開発、スピーディな食品安全検査および精密な強対流天候予報なども含まれている。 上海市科学技術委員会のシニアエンジニアの鈕暁鳴氏によると、ここ2年間に、博覧会科学技術行動計画では、すでに約100件のテーマ研究プロジェクトをスタートさせ、その半分は企業が参加するものであり、上海以外の省?直轄市の割合は10%以上となっている。上海万博における新技術応用は、上海万博のサプライズ展示効果の追求だけでなく、より重要なのは、これらの新しい目玉は中国企業の自主的革新を促し、さらにコア技術における突破やトータルな技術成果の応用を通して、企業は経済と社会の新しい発展の可能性を開拓することができる、と鈕暁鳴氏は語っている。 「チャイナネット」2007年3月26日 |