烏蓬船

概況:
烏篷船は、中国浙江省紹興市を代表する、千年以上の歴史を持つ独特の水上交通手段であり、紹興の「三烏(烏篷船、烏氈帽、烏干菜)」の一つに数えられる文化的シンボルです。その名は、竹で編んだ半円形の船篷(ふねぼう)に黒い塗料(煙煤と桐油を混ぜた「黑油」)が塗られていることに由来します。船体は細長く柳の葉のようで、両端が少し反り上がった優美な形状をしており、非常に軽快です。かつては人々の日常生活に欠かせない移動手段であり、買い物や通院、親戚訪問などに広く用いられていました。文豪・魯迅もその作品の中で、故郷への帰郷や山陰道の旅にこの小船を利用したと記しており、歴史と文学に深く根ざした乗り物です。現在では主に観光用として、紹興の古い町並みや運河、東湖などの景勝地で、水郷の風情を体験できる乗り物として親しまれています。その伝統的な製造技術は「烏篷船制作技藝」として浙江省の無形文化遺産にも指定されており、単なる交通機関を超えた文化的価値を持っています。

見所:
船頭による「手脚并用」の操船技術は世界的にも珍しく、船尾に座った船頭が手で舵を取る楫(かい)を操りながら、両足で長い櫂(ルアー)を伸縮させて進む様子は、見ているだけでも興味深いものです。時速は10キロメートル以上にもなります。
低くしゃがんだような姿勢で船内に座ると、船体が水面に非常に近いため、まるで水の上に直接座っているような独特の浮遊感を味わえます。運河の水に手を触れることもできる、水と一体となる体験ができます。
船内は板張りの上にござが敷かれており、座ったり横になったりしてくつろぐことができます。ゆったりと揺られるうちに、時間の流れがゆっくりになるような、古き良き時代の旅情を感じられます。
小さな烏篷船だけでなく、歴史的には「明瓦船」と呼ばれる大型で豪華な船も存在しました。これは船篷に磨いた貝殻(明瓦)をはめ込み、採光と防水を両立させた優雅な船で、かつては上流階級の旅行や宴会に用いられました。魯迅も『五猖会』で「三道明瓦窗の大船」に乗ったと記しています。
船頭が櫂を漕ぎながら、時には酒を飲み、茴香豆をつまむという、のんびりとした独特の風情も紹興ならではの光景です。

入場料:開放時間:
烏篷船の乗船は有料です。料金は乗船区間や乗船人数によって異なります。例えば、東湖景区内の短距離コースや、魯迅故里から沈園を結ぶ区間など、主要観光地で乗船可能です。具体的な運賃は現地でご確認ください。
中国語名:
乌篷船(wū péng chuán)
中国語名の読み方:
ウー ポン チュァン
英語名:
Wupengchuan
烏蓬船の観光時間:
開放時間は、乗船場や景区によって異なりますが、おおむね以下の時間帯を目安にすることができます。 ハイシーズン:7:30〜17:30 ローシーズン:8:00〜17:00
烏蓬船へのアクセス:
住所: 烏篷船は紹興市内の複数の水域で運行されています。主な乗船場は以下のエリアにあります。 浙江省紹興市越城区魯迅中路(魯迅故里・沈園周辺の運河) 浙江省紹興市越城区東湖鎮(東湖景区内) 浙江省紹興市柯橋区柯岩街道(柯岩風景区内)

公共交通機関: 紹興市内の主要な烏篷船乗り場へは、バスやタクシーが便利です。 魯迅故里周辺へは、紹興軌道交通1号線「魯迅故里駅」で下車、すぐです。また、多数の路線バス(例:8A路、13路、24路、30路など)が「魯迅故里」バス停に停車します。 東湖景区へは、バス1路、2
注意事項:
船内は狭く、船篷も低いため、立ち上がったり、急に動いたりすると転倒や転覆の危険があります。船頭の指示に従い、座ったままの姿勢を保ちましょう。 貴重品はしっかりと保管し、できるだけ手から離さないようにしてください。カメラやスマートフォンでの撮影の際も、水没や落下に十分ご注意ください。 混雑時、特にゴールデンウィークなどのハイシーズンには、乗船待ちの列が非常に長くなる場合があります。時間に余裕を持って計画されることをお勧めします。 船頭さんは地元の歴史や文化に精通していることが多いです。簡単な中国語や身振り手振りで会話を楽しんだり、おすすめのコースを尋ねてみるのも良い体験となるでしょう。 乗船前に、運行区間や所要時間、料金を必ず確認しましょう。また、天候(強風や大雨)によって運航が中止される場合もあります。

烏蓬船の写真

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