曲院風荷

概況：
曲院風荷は、杭州西湖十景の一つであり、特に夏の蓮観賞を主題とした景勝地です。蘇堤春暁に次いで西湖十景第二位に位置づけられています。その歴史は南宋時代にまで遡り、当時は官営の酒造所「麯院」があり、金沙澗の良質な水を使って酒を醸造していました。周囲の湖面に植えられた蓮から漂う香りと、酒造りの香りが夏風に乗って混ざり合い、「麯院荷風」と呼ばれる風雅な景観を生み出していました。その後、時代の変遷で一度は荒廃しましたが、清の康熙帝が西湖十景を品題した際に「曲院風荷」と改称し、蘇堤の跨虹橋畔に景碑亭を建立して復興させました。現在の公園は1980年代以降に拡張整備されたもので、岳湖、竹素園、風荷、曲院、浜湖密林の五大景区からなり、総面積は約12.65万平方メートル（約420余亩）にも及び、西湖環湖地区最大級の公園の一つとなっています。

見所：
風荷景区は公園の核心エリアで、紅蓮、白蓮、重台蓮、洒金蓮、並蒂蓮など、100種を超える多様な品種の蓮が、38亩もの池面に栽培されています。水面に架かる様々な形の小橋を歩きながら、間近で蓮を鑑賞できるのが魅力です。
園内中央部には、清の康熙帝自らが揮毫した「曲院風荷」の景碑を収める御碑亭があります。この碑は西湖十景に残る数少ない康熙帝の原碑の一つであり、歴史的価値が高いものです。
迎薰閣は園内の高台に建ち、登閣すれば「接天蓮葉無窮碧、映日荷花別様紅」という壮大な蓮の景色を一望できます。閣の下には蓮の文化を紹介する展示室が設けられています。
竹素園は清初の西湖名園を復元した区域で、竹や石、亭台楼閣と曲がりくねった水流が配置され、蓮とはまた違った静謐で風雅な庭園美を楽しめます。
浜湖密林景区は、テントやハンモックが設置されたレジャーエリアで、ピクニックや釣りを楽しむ家族連れに人気があります。また、園内には古式醸造所を模した風荷酒苑もあり、歴史的な酒文化に触れることができます。

入場料：無料です。曲院风荷(qǔ yuàn fēng hé)チュイ ユェン フォン ホーLotus Gardenハイシーズン（4月～10月頃）：7:00～19:00
ローシーズン（11月～3月頃）：7:00～17:30
※公園は24時間開放されているという情報もありますが、施設や管理上の都合により、上記のような時間制限が設けられている場合があります。また、蓮の開花状況に応じて、夏期は早朝から開園していることもあります。住所：
浙江省杭州市西湖区北山街89号。
公共交通機関：
バスが最も便利です。「岳廟（Yue Miao）」バス停で下車し、すぐ目の前です。K7路、WE1314路などが利用できます。
「蘇堤（Su Di）」バス停も近く、K4路などが停車します。
「曲院風荷（Quyuan Fenghe）」バス停もあります。28路、82路、15路などが利用できます。
地下鉄をご利用の場合は、1号線「龍翔橋（Longxiangqiao）」駅で下車し、西湖岸から観光バス（環線）に乗り換えるか、タクシーを利用します。蓮の見頃は6月下旬から8月が最も美しい時期です。特に7月から8月が最盛期となります。早朝（6時～8時頃）は光線が柔らかく、人も比較的少ないため、写真撮影や静かに鑑賞するのに最適です。 園内は水辺や緑が多いため、特に夏場は蚊が多く発生します。虫除けスプレーなどの対策を忘れずにご準備ください。 週末や連休期間中は大変混雑します。公共交通機関の利用がお勧めです。自家用車でお越しの場合は、西湖周辺は非常に渋滞し、駐車場も満車になることが多いです。 蓮池のほとりや橋の上など、人気の撮影スポットでは多くの人が集まります。安全に配慮し、順番を守ってご利用ください。 貴重な植物ですので、蓮の花や葉を折ったり、池に物を投げ入れたりしないよう、マナーを守って鑑賞してください。