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チベットの概略
青海・チベット高原の南西部に位置するチベット自治区は、古には「蕃」、略称を「蔵」と呼ばれ、ラサを首府とする。雄大にして壮観で、美しく奇抜な自然的風光で知れ渡るチベットは、北は新疆ウイグル自治区に臨み、北東は青海省に接し、東は四川省、南東は雲南省と隣接し、南と西はビルマ、インド、ブータン、シッキムならびにカシミールなどの国や地域と隣り合わせている。2億年昔前、広々とした海バラであったチベット自治区は、2千万年前にヒマラヤ山の造山運動で隆起して、今の高原地形を形成した。チベットは、青海・チベット高原の一部を成している。
チベットの歴史と文化
チベットでは、主な民族はチベット族である。人煙稀なチベットでは、遊牧生活を送るものは人口の90%を占め、農民は主としてヤルツォンポ川の渓谷地帯やその支流のニャン川(尼洋川)と年楚川流域に居住する。このあたりでは物産は乏しいが、大麦(のはず)、エンドウと油菜を主な農耕が行われる。チベットの大部分の面積を占める北部のステップでは、牧畜民とヤク、ヒツジの郷として、パオ(テント)住まいの牧畜民が、家畜の群れを連れ、牧草を求めて回る。町に居住する残りの10%の人口は、商業や手芸品の制作を生業とするが、そのうち労働者や政府の役員も多くいる。 高原の魂であるチベットの文明として、踊りおよび建築、壁画とタンかと呼ばれるチベット刺繍のほかに、チベット文学が特に注目され、伝統的なチベット医学も特別特色を具えている。
チベット現地の祝祭日
チベット暦の新年

チベット暦の新年

スー油灯祭

スー油灯祭

サカダワ祭

サカダワ祭

ワンドォ祭り(望果祭)

ワンドォ祭り(望果祭)

沐浴祭

沐浴祭

ショトゥン(雪頓祭)

ショトゥン(雪頓祭)

仙女祭り

仙女祭り

点灯祭り(燃灯節)

点灯祭り(燃灯節)

駆鬼祭り

駆鬼祭り

チベットの風俗とタブー
    チベットの全民族として宗教を信仰することで、郷に入っては郷に従えといわれるように、現地の習俗を尊重してほしい。
  • チベット族では、客に対して真心から歓迎と敬意を表すという意味で、ハダをささげることを最高の接客グレードをあらわすのが礼儀である。ハダは、白を主とするが浅い藍色と淡い黄色もあり、普通の長さは1、5メートルから2メートルまでである。最上は藍、黄、白、緑、赤と、五色のもので、仏事などもっとも盛大で最高の儀式に用いられる。
  • スーユ茶(牛や羊の油で作ったバター)を飲む場合、主人側が両手でお茶を客側の前に運ぶと時、これを受け取って飲むが、お変わりの場合、敬意を表すという意味で、客側も同じく、両手で茶碗を主人に差し出す。
  • 寺院、マニ塚、仏塔など、宗教施設の前を通りすがる場合、時計回しにするが、ボン教(まれに見る)の場合では逆に、右から回る。法器、火鉢、経筒を跨ぐこと経輪(マニ車)の逆転はいずれも禁じる。
  • 寺院に入る場合、喫煙のほか、仏像に触り、お経を開き、鐘と太鼓を鳴らすことはタブー。ラマ僧の身についたお守り、数珠などの宗教的器物に手触りすることも禁じる。寺院の中で静粛にし、座に着くときは端座し、ラマ僧の座に座ってはいけない。
  • 今は食べる人も段々多く増えるが、チベット族は、通常、魚、海老、鶏肉と鶏卵を食べないので、無理に進まないように。

  • 人の頭を手触りするのもタブー。
チベットの交通機関

飛行機

今のところ、運航するチベットの空港は、ラサのクンガ(コンガル)空港、チャムド・バンダ空港、ニンティ・メンリン空港、ガリ(アリ)空港、シガツェ和平空港と五つある。ラサの窓口として、クンガ空港は多数のチベット旅行者が利用する入り口で、就航する便が一番多い。

列車

青海チベット鉄道(青蔵鉄道)は、チベット域内の唯一の鉄道として、東は青海の西寧市をゲートウェイとし、北は青海のゴルムドから出発し、総延長は1956kmで、チベットの域内にラサ、アムド(安多)、ナクチュ(那曲)、ダムシュン(当雄)などの停車駅が設置され、総延長は1142kmである。

長距離バス

自動車でラサへ行くには、直通の路線バスといえば、現在、青海のゴルムドと新疆の葉城との2本のみで、雲南省や四川省からチベットに入るには、乗継が必要である。
チベットの旅行シーズン
チベットは乾燥した温帯モンスーン気候に属し、空気が稀薄で、冬は長く夏はない。気温がかなり低いが、日照が十分である。それぞれ違う季節に応じて、異なるチベットの風景が満喫できる。

春(3~5月)

万物が蘇り、花が咲き誇り、暖かくなる春では、ニンティはチベットの人気ある見所である。初春3月のニンティでは、十日間ぐらいも続く桃の花祭りが開催される。ピンク色の桃の花は、雲霧が棚引き、万年雪をいただく高峰に映えて非常の美しい。ニンティの春は田園風光たっぷりで、なかなか見るべきである。

夏(6~8月

) 青空に白雲が漂い、気温適宜な夏のチベットでは、日差しも強いが、湿り気が多く、蒸し暑い内陸地と比べて、空気が乾燥していて、なかなかよいサマー・リゾートになる。昼は、ポダラ宮、トゥルナン寺(大昭寺)、デプン寺(哲蚌寺)など、チベット風の宮殿と寺院を見学し、強烈かつ神秘な宗教的雰囲気をたっぷり感受することができる。夜になると、チベット風のバーで一杯を傾けて、ほかと異なるチベット風情が味わえる。

秋(9~11月) 

雨季も過ぎ去り、紅葉に映える秋晴れ、金色の秋の十一月下旬では、トレッキングに最適の時期であるとともに、雲南とチベット、アリ旅行の最適の時期でもある。

冬(12~2月)

  雪の世界に包まれる高原の冬は、太陽も暖かくなるほど、日照時間が長く、空は透き通るように澄み切っていて、エベレスト、ナムチャバルワ峰など、純粋な雪景色の観賞にもってこいの時期である。しかも、チベット暦の新年を過し、トゥルナン寺広場で日当たりをすることも賢い選択であろう。

最適の旅行時期

  チベット旅行の最適の時期は、雪融けの4月から10月まである。気温も暖かくなり、視野もよく、景色観賞に最適である。4、5月は花が咲き誇り、6月から10月までは作物の収穫シーズンにあたり、チベットの各地にさまざまな祝祭日とイベントが行われる。
高原反応とその予防
  • 高山反応の一般の表れとして、頭痛、胸部の圧迫感、喘ぎ、倦怠感などがあり、低酸素で唇が青く浮腫んだり、昏睡や睡眠障害の人もいる。悪化すればむくれたり、激しい咳をしたり、高熱になったりするなどの重症になり、高地肺水腫、脳浮腫に進行する可能性もある。
  • チベットは始めてのもには、程度の差こそあるが、誰もが避け得ない人体の高所反応とも言うべきで、「高度(高所)順応」のために、最初の一日、二日は停滞して、身体を休めて低酸素状態に身体を慣らすことが大切である。
  • 「高原安」など、高山反応の症状の予防及び治療に効く薬を購入、携帯し、睡眠を浴する効果もある。
  • 高山病になりやすいから、何時でも、どこでも、大声で叫んだり、激しく動いたりしないように。
  • チベットに入る前の一日、二日は、お風呂に入ったり頭を洗ったりしないように。高山反応を誘発する風を防ぐため、体を暖かくしてエネルギーを保持するのが大切である。
  • 一般的には、高山反応の症状が改善されない場合は、高度を下げるようにする。
  • 重症の高血圧、心臓病、喘息病などを患っているものには、高地への旅行を避けたほうがよい。
チベット旅行中の安全対策
  • 海抜が高い低酸素の青海・チベット高原に位置するチベットは、空気が乾燥するので、水分や野菜の摂取量を上げると同時に、リップクリームを付ける。
  • 落盤、土石流、暴風雪などの天災はチベット旅行の主な危険で、旅行中の乗車、ドライバーのスキルと経験、道路の状態などに十分注意を払うように。
  • チベットでは、郊外地でも市街地でも野良犬が多いので、それに注意してほしい。まず、同情の念に禁じえず餌をやることを避ける。すぐ囲まれたりする恐れがあるから。いったん、野良犬の縄張りに入ったとしても、慌てず、石投げまでできなくても、そのような格好をして脅かせばよい。
チベットの美食[グルメ]
バター茶(バターちゃ)酥油茶

バター茶(バターちゃ)酥油茶

ツァンパ(糌粑)

ツァンパ(糌粑)

テントゥク(チベットの麺類・チベット風すいとん)

テントゥク(チベットの麺類)

ヤクの乳のヨーグルト

ヤクの乳のヨーグルト

チャン(ハダカ麦の酒・青稞酒)

チャン(ハダカ麦の酒・青稞酒)

ヤクの肉

ヤクの肉

撮影攻略
  • シャッターする暇がないほどの美景があるので、なるべく余分のフイルムやメモリ・カードを用意しておいたほうがよい。
  • 現地住民を撮影する際、ミニプレゼントを贈ると喜ばれるが、撮影料を要求する人もいるが、ぜひ強く断わること。相手の承諾を得ず突然に撮影しないで、相手を尊重した上で慎重に撮影してください。動物をとる場合は、被写体をびっくりさせないように。
  • 低温でバッテリー寿命が消耗されるため、予備の電池を多めに用意しておくこと。
  • チベットの日差しが非常に強いが、紫外線/赤外線をカットするフィルターのUVレンズとスリムCPLフィルターを用意すれば、問題が解決できる。
  • 荷物にならなければ小さい三脚を用意するのもオススメ。さらに美しい写真が取れる。
  • 防塵と撥水性良好なバックパックタイプカメラバッグ。
  • カメラを長時間太陽に照らさないよう注意しよう。チベットの砂埃にも要注意。不衛生な場所にはカメラを使わないほうが安全。

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